...より朴素なる張良にして...
芥川龍之介 「木曾義仲論(東京府立第三中学校学友会誌)」
...西洋間の窓並びに唐戸の枠は蝦夷松、額ぶちはヌカセン、その天井板二十五種、腰羽目板二十二種は、以上に擧げた種類の外に、シナ、ナラ、シウリ、ヱンジユ、櫻、槲、朴(ほう)の木、ドロ、山モミヂ、オヒヨウ楡(にれ)、ハンの木、アサダ、サンチン、カタ杉、檜の木などだ...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...此説明の歴史上の価値の如何は、茲に論ぜず、神話的説明としては、此説明は甚だ自然に、甚だ簡朴に、而も真理に近しと云わざるを得ず...
高木敏雄 「比較神話学」
...無欲な素朴な気質と...
高村光太郎 「智恵子の半生」
...そんな素朴な命題があって...
太宰治 「花燭」
...朴訥(ぼくとつ)な人の好(よ)ささうな老爺(おやぢ)が...
田山花袋 「父の墓」
...ただ質朴な正直さと呆然(ぼうぜん)自失との入り交じった調子だった...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...素朴的にいわば客観を主観にうつしとる作用だという考えかたである...
中井正一 「「見ること」の意味」
...素朴ではあるが健康さうで...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...鼠小倉(ねづみこくら)の緒のすがりし朴木歯(ほうのきば)の下駄ひたひたと...
樋口一葉 「たけくらべ」
...又今度(こんど)兄の供をして中津から来て居る武八(ぶはち)と云う極(ごく)質朴な田舎男(いなかおとこ)は...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...人間の命は眼の中にあるという素朴な固定で考えてはいない...
宮本百合子 「幸福の感覚」
...多分、百パーセントの共産主義者から見れば、素朴すぎる、矛盾だらけの、なっていないものだろうと思います...
三好十郎 「廃墟(一幕)」
...呉一郎の朴歯(ほおば)の下駄(げた)の跡と...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...諸木(もろき)は何(なに)を思へるや、銀杏(いてふ)、木蓮(もくれん)、朴(ほゝ)、楓(かへで)、かの男木(おとこぎ)も、その女木(めぎ)も痩(や)せて骨だつ全身を冬に晒(さら)してをののきぬ...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集」
...とすると、この迷へる無數な、素朴な、そしていぢらしい程、無知な良心は、どこへその善性を向けたらいゝのか...
吉川英治 「折々の記」
...相手の温雅淳朴(おんがじゅんぼく)なすがたを見て...
吉川英治 「新書太閤記」
...その日ぐらし――などとはおよそ反対な素朴を守りあっていた...
吉川英治 「梅里先生行状記」
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