...本当の意味の正しい個人主義だとか自己本位とか云ふことゝ自分を甘やかすわがまゝとか傲慢な専横との区別がちつとも分らないのです...
伊藤野枝 「従妹に」
...それも先生に本当の意味での自覚がないからだとぞんじます...
伊藤野枝 「S先生に」
...私の本当の意味での処女作を...
伊藤野枝 「書簡 大杉栄宛」
...今まさにわれわれの戸を叩きつつある革命の本当の意味が分ったならば...
ピョートル・アレクセーヴィチ・クロポトキン Pyotr Alkseevich Kropotkin 大杉栄訳 「青年に訴う」
...本当の意味の書家が例えば十の字を書く時に始め一を左から右へ引き通す際に後から来るの事など考えるだろうか...
寺田寅彦 「津田青楓君の画と南画の芸術的価値」
...本当の意味での活きた科学的常識が欠乏しているという事を示すものではあるまいか...
寺田寅彦 「流言蜚語」
...本当の意味ではなり立たないのが当然だし...
戸坂潤 「思想としての文学」
...すでにプロレタリア文学という本当の意味における世俗大衆的文学が...
戸坂潤 「世界の一環としての日本」
...日本のブルジョア社会では本当の意味に於ける民衆(プープル)も市民(シトワイヤン)もない...
戸坂潤 「世界の一環としての日本」
...やはり本当の意味での放縦な...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...「つまり、なんでございますね、これからこの世の光を見せようという親の立場になり、これからこの世の苦労を味わわされようとする子というものの立場になってみてでございますね」「ふん、なるほど、してみるてえと、母の胎内にある子のために、また、その胎内に子を持つ母のためにってなことになるのかね」「まあ、そうでございますね、最初に申し上げたでしょう、子を産むことは必ず目出たいこととされていますけれども――そういう場合に、本当の意味では、生れるが目出たいか、産むのが目出たくないか――というような理窟になりますか知ら」「じゃ、かりに目出たくないとするとどうだね」「なら、いっそ、親として産まないのが善いことであり、子として生れないのが善いことじゃないでしょうか」「はてな」道庵は仔細らしく小首を傾(かし)げて、「はて、お雪ちゃん、お前さんの質問が、深刻なようで上辷(うわすべ)りがし、上辷りがしているようで存外深刻でもあり、ちょっと、迷わされるがね、早い話が、結局こういうことになるんじゃねえか、どうも、そうなりそうだよ、つまり、お雪ちゃんの今の質問は論じつめると、子供が母の胎内にあるうちに、卸しちまった方が、子供のためにも、母のためにも、幸福じゃないか――こういって質問されているようなことになるんじゃねえかね...
中里介山 「大菩薩峠」
...この何分宜しく頼むの頼むは本当の意味の頼むか...
夏目漱石 「それから」
...本当の意味において成功した人びとはいうまでもなく少ないであろう...
羽仁もと子 「最も楽しい事業」
...本当の意味は今の私には分からなくなりました...
山崎富栄 「雨の玉川心中」
...本当の意味はべつにあるのかもしれないが...
山本周五郎 「青べか物語」
...このような歌のウラに隠してある本当の意味はおわかりにならなかったでしょう...
夢野久作 「押絵の奇蹟」
...刹那主義なぞいう言葉の本当の意味をも知った...
夢野久作 「東京人の堕落時代」
...本当の意味で胆の据(すわ)った人も...
和辻哲郎 「地異印象記」
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