...然し見るということの本当の意味を弁(わきま)えていたといえようか...
有島武郎 「惜みなく愛は奪う」
...本当の意味の正しい個人主義だとか自己本位とか云ふことゝ自分を甘やかすわがまゝとか傲慢な専横との区別がちつとも分らないのです...
伊藤野枝 「従妹に」
...それも先生に本当の意味での自覚がないからだとぞんじます...
伊藤野枝 「S先生に」
...そうする事によってこの音楽が本当の意味をもつような気がする...
寺田寅彦 「雑記(1[#「1」はローマ数字、1-13-21])」
...これは要するにまだ本当の意味での地震学というものが成立していない事を意味するのではあるまいか...
寺田寅彦 「地震雑感」
...今回地震の本当の意味の震源を知るためには今後専門学者のゆっくり落着いた永い間の研究を待たなければなるまい...
寺田寅彦 「地震雑感」
...しかし「光や音がエネルギーである」という言葉では本当の意味は尽されていない...
寺田寅彦 「物質とエネルギー」
...本当の意味での活きた科学的常識が欠乏しているという事を示すものではあるまいか...
寺田寅彦 「流言蜚語」
...実は本当の意味での匿名批評の問題なのだということが...
戸坂潤 「思想としての文学」
...なる程本当の意味でのイデオロギーや世界観こそ思想なのだし...
戸坂潤 「思想としての文学」
...本当の意味で通俗的に...
戸坂潤 「思想としての文学」
...日本のブルジョア社会では本当の意味に於ける民衆(プープル)も市民(シトワイヤン)もない...
戸坂潤 「世界の一環としての日本」
...「つまり、なんでございますね、これからこの世の光を見せようという親の立場になり、これからこの世の苦労を味わわされようとする子というものの立場になってみてでございますね」「ふん、なるほど、してみるてえと、母の胎内にある子のために、また、その胎内に子を持つ母のためにってなことになるのかね」「まあ、そうでございますね、最初に申し上げたでしょう、子を産むことは必ず目出たいこととされていますけれども――そういう場合に、本当の意味では、生れるが目出たいか、産むのが目出たくないか――というような理窟になりますか知ら」「じゃ、かりに目出たくないとするとどうだね」「なら、いっそ、親として産まないのが善いことであり、子として生れないのが善いことじゃないでしょうか」「はてな」道庵は仔細らしく小首を傾(かし)げて、「はて、お雪ちゃん、お前さんの質問が、深刻なようで上辷(うわすべ)りがし、上辷りがしているようで存外深刻でもあり、ちょっと、迷わされるがね、早い話が、結局こういうことになるんじゃねえか、どうも、そうなりそうだよ、つまり、お雪ちゃんの今の質問は論じつめると、子供が母の胎内にあるうちに、卸しちまった方が、子供のためにも、母のためにも、幸福じゃないか――こういって質問されているようなことになるんじゃねえかね...
中里介山 「大菩薩峠」
...小人わたくしはどうぞ本当の意味で成り出(い)でたい...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...比較ができなければ本当の意味はわからぬと同時に...
柳田國男 「和州地名談」
...私の死ぬ本当の意味は分からないわ」「愛している証拠だよ」と...
山崎富栄 「雨の玉川心中」
...その本当の意味ではじめて秀之進に理解された...
山本周五郎 「新潮記」
...あのヤングが云っていた色んな言葉の本当の意味が...
夢野久作 「支那米の袋」
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