...佐吉さんは其(そ)の家の末っ子で...
太宰治 「老ハイデルベルヒ」
...三代つづいた鰹節(かつおぶし)問屋の末っ子...
太宰治 「狂言の神」
...突きおとされた豆腐屋の末っ子は落下しながら細長い両脚で家鴨(あひる)のように三度ゆるく空気を掻くようにうごかして...
太宰治 「ロマネスク」
...末っ子の八津(やつ)...
壺井栄 「二十四の瞳」
...私は、自分よりもズッと弱虫の、家主の、末っ子の、四郎次からも殴られるようになった...
徳永直 「戦争雑記」
...幸い男女取交ぜて八番目の末っ子で...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...足のわるい末っ子を可哀がっていたのかどうかわからないが...
長谷川時雨 「鉄くそぶとり」
...浅草の材木町(ざいもくちょう)の名主石田郷左衛門の末っ子で...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...そういう暗いものからの反撥が作用していると思うね」下宿している家の主婦の末っ子が...
「海流」
...ポーランドの首府ワルソーで中学校の物理の先生をする傍(かたわら)副視学官をつとめていたスクロドフスキーの四人娘の末っ子として生れました...
宮本百合子 「キュリー夫人の命の焔」
...おらが末っ子でえすで...
三好十郎 「天狗外伝 斬られの仙太」
...(b)四人兄弟の内の末っ子・しかも非常に間をおいた末っ子・であったシユール・ド・ビュサゲひとりだけが...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...その末っ子をつれて実家の柳田へ帰ってきた...
柳田国男 「故郷七十年」
...末っ子の又次のほかはみな病人のようにみえた...
山本周五郎 「赤ひげ診療譚」
...末っ子は三文安いというが...
山本周五郎 「末っ子」
...末っ子だからあまやかしてはいけないと思って...
山本周五郎 「末っ子」
...「あのひとですか、そうねえ、末っ子だし、おばあさまが猫っ可愛がりに可愛がりましたから、ちょっとあまったれなところもあるようだけれど、でも存外しっかりしているし、思い遣(や)りの深いところもあって、これは誰も知らないでしょうけれど、新庄の叔父さまなどにはときどき貢いでいるようですよ、うちでも主人がだいぶ贔屓(ひいき)で、小出では平五がいちばん人間ができている、などと云っています、あたしはこんな暢気(のんき)な性分ですし、あのひととは年も一つしか違いませんから、きょうだいじゅうではいちばん仲もよく、喧嘩(けんか)もした代りには、いまでもここへはよく遊びに来ます、あたしより米良に会うためかもしれませんけれど、貯めたお金を預けているくらいですから、あたしのことも頼りにしているのだと思いますわ、ええ、いま養子のくちが一つあるんですよ、先方は小普請ですけれど、五百石ばかりの内福なうちで、娘さんも温和(おとな)しそうな縹緻(きりょう)のいいひとなんです、どうして承知しないのか、あたしにはわかりません、先方ではぜひと云ってますし、米良もすすめているんですけれどね、なにか考えがあるんでしょうか、どうしてもうんと云いませんのよ」叔父(玄蕃の弟で新庄へ婿にいっている)主殿(とのも)は云う...
山本周五郎 「末っ子」
...「末っ子だと思ってあまやかして育てるからこんな人間ができたんだ...
山本周五郎 「末っ子」
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