...突きおとされた豆腐屋の末っ子は落下しながら細長い両脚で家鴨(あひる)のように三度ゆるく空気を掻くようにうごかして...
太宰治 「ロマネスク」
...おのおの自分の泳ぎの型を誇りながら豆腐屋の末っ子を捜しはじめた...
太宰治 「ロマネスク」
...おれは末っ子で、みんなに可愛がられ、何不自由なく暮らして、今はあちらこちら走り使いにやられるほど大きくなった...
知里真志保 「あの世の入口」
...末っ子の八津(やつ)...
壺井栄 「二十四の瞳」
...私は、自分よりもズッと弱虫の、家主の、末っ子の、四郎次からも殴られるようになった...
徳永直 「戦争雑記」
...鉄屑(かなくそ)ぶとりのおおかみさんの死んだ末っ子と...
長谷川時雨 「鬼眼鏡と鉄屑ぶとり」
...浅草の材木町(ざいもくちょう)の名主石田郷左衛門の末っ子で...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...第航艦(こうかん)の司令官をしていた兄の末っ子で...
久生十蘭 「春雪」
...おらが末っ子でえすで...
三好十郎 「天狗外伝 斬られの仙太」
...その末っ子をつれて実家の柳田へ帰ってきた...
柳田国男 「故郷七十年」
...連れ帰った末っ子が死んでからは...
柳田国男 「故郷七十年」
...末っ子の又次のほかはみな病人のようにみえた...
山本周五郎 「赤ひげ診療譚」
...末っ子は三文安いというが...
山本周五郎 「末っ子」
...「あいつは末っ子のあまったれで...
山本周五郎 「末っ子」
...「あのひとですか、そうねえ、末っ子だし、おばあさまが猫っ可愛がりに可愛がりましたから、ちょっとあまったれなところもあるようだけれど、でも存外しっかりしているし、思い遣(や)りの深いところもあって、これは誰も知らないでしょうけれど、新庄の叔父さまなどにはときどき貢いでいるようですよ、うちでも主人がだいぶ贔屓(ひいき)で、小出では平五がいちばん人間ができている、などと云っています、あたしはこんな暢気(のんき)な性分ですし、あのひととは年も一つしか違いませんから、きょうだいじゅうではいちばん仲もよく、喧嘩(けんか)もした代りには、いまでもここへはよく遊びに来ます、あたしより米良に会うためかもしれませんけれど、貯めたお金を預けているくらいですから、あたしのことも頼りにしているのだと思いますわ、ええ、いま養子のくちが一つあるんですよ、先方は小普請ですけれど、五百石ばかりの内福なうちで、娘さんも温和(おとな)しそうな縹緻(きりょう)のいいひとなんです、どうして承知しないのか、あたしにはわかりません、先方ではぜひと云ってますし、米良もすすめているんですけれどね、なにか考えがあるんでしょうか、どうしてもうんと云いませんのよ」叔父(玄蕃の弟で新庄へ婿にいっている)主殿(とのも)は云う...
山本周五郎 「末っ子」
...私は末っ子で三文安いかもしれないが...
山本周五郎 「末っ子」
...末っ子のみよは気の勝った娘だった...
山本周五郎 「はたし状」
...こういう愛称で末っ子を呼んでいた...
ルナアル Jules Renard 岸田国士訳 「にんじん」
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