...佐吉さんは其(そ)の家の末っ子で...
太宰治 「老ハイデルベルヒ」
...自分の田舎の家では、十人くらいの家族全部、めいめいのお膳(ぜん)を二列に向い合せに並べて、末っ子の自分は、もちろん一ばん下の座でしたが、その食事の部屋は薄暗く、昼ごはんの時など、十幾人の家族が、ただ黙々としてめしを食っている有様には、自分はいつも肌寒い思いをしました...
太宰治 「人間失格」
...おのおの自分の泳ぎの型を誇りながら豆腐屋の末っ子を捜しはじめた...
太宰治 「ロマネスク」
...末っ子の八津(やつ)...
壺井栄 「二十四の瞳」
...私は、自分よりもズッと弱虫の、家主の、末っ子の、四郎次からも殴られるようになった...
徳永直 「戦争雑記」
...理解できない「末っ子」の死を前にして...
原口統三 「二十歳のエチュード」
...そういう暗いものからの反撥が作用していると思うね」下宿している家の主婦の末っ子が...
「海流」
...ポーランドの首府ワルソーで中学校の物理の先生をする傍(かたわら)副視学官をつとめていたスクロドフスキーの四人娘の末っ子として生れました...
宮本百合子 「キュリー夫人の命の焔」
...おらが末っ子でえすで...
三好十郎 「斬られの仙太」
...おらが末っ子でえすで...
三好十郎 「天狗外伝 斬られの仙太」
...(b)四人兄弟の内の末っ子・しかも非常に間をおいた末っ子・であったシユール・ド・ビュサゲひとりだけが...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...自分は古い舟に末っ子と二人で乗って仕事をしているわけである...
柳田国男 「故郷七十年」
...その末っ子をつれて実家の柳田へ帰ってきた...
柳田国男 「故郷七十年」
...本家の末っ子で十五歳になる男の子が...
山本周五郎 「さぶ」
...末っ子だからあれですけれども...
山本周五郎 「末っ子」
...末っ子だからあまやかしてはいけないと思って...
山本周五郎 「末っ子」
...「あのひとですか、そうねえ、末っ子だし、おばあさまが猫っ可愛がりに可愛がりましたから、ちょっとあまったれなところもあるようだけれど、でも存外しっかりしているし、思い遣(や)りの深いところもあって、これは誰も知らないでしょうけれど、新庄の叔父さまなどにはときどき貢いでいるようですよ、うちでも主人がだいぶ贔屓(ひいき)で、小出では平五がいちばん人間ができている、などと云っています、あたしはこんな暢気(のんき)な性分ですし、あのひととは年も一つしか違いませんから、きょうだいじゅうではいちばん仲もよく、喧嘩(けんか)もした代りには、いまでもここへはよく遊びに来ます、あたしより米良に会うためかもしれませんけれど、貯めたお金を預けているくらいですから、あたしのことも頼りにしているのだと思いますわ、ええ、いま養子のくちが一つあるんですよ、先方は小普請ですけれど、五百石ばかりの内福なうちで、娘さんも温和(おとな)しそうな縹緻(きりょう)のいいひとなんです、どうして承知しないのか、あたしにはわかりません、先方ではぜひと云ってますし、米良もすすめているんですけれどね、なにか考えがあるんでしょうか、どうしてもうんと云いませんのよ」叔父(玄蕃の弟で新庄へ婿にいっている)主殿(とのも)は云う...
山本周五郎 「末っ子」
...「末っ子だと思ってあまやかして育てるからこんな人間ができたんだ...
山本周五郎 「末っ子」
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