...未知の世界に這入つてゆくやうなうれしさばかりを想つてゐた...
伊藤野枝 「惑ひ」
...従って未知の世界とせられねばならぬ...
津田左右吉 「歴史の矛盾性」
...史料の書かれた時には未来であり未知の世界であったものが過去となり既知の世界となったことによって生じた分子が含まれている...
津田左右吉 「歴史の矛盾性」
...未知の世界から使者として一人の田舎少年(いなかしょうねん)の柴(しば)の戸ぼそにおとずれたようなものであったらしい...
寺田寅彦 「青衣童女像」
...何だか急に未知の世界を覗いたような晴々しい気持になりました...
豊島与志雄 「香奠」
...初夢は一年の最初の夢であるばかりでなく、何かしら、未知の世界、神秘の世界、広く深い運命の世界を、ちらと覗きこめる隙間のようなものだった...
豊島与志雄 「夢」
...彼の運命は未知の世界にふみ込まんとしていた...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...まったく未知の世界にはいり込む前になお林檎菓子(りんごがし)が一つ食える...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...未知の世界のあらゆる靄(もや)は荒々しい炎を交じえている...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...未知の世界へ逝(ゆ)く...
林芙美子 「浮雲」
...云わば或未知の世界との最初の接触だった...
堀辰雄 「菜穂子」
...未知の世界へ希望を懐(いだ)いて旅立つた昔に比べて寂しく又早く思はれた航海中...
森鴎外 「妄想」
...一方には、長い航海と、未知の世界と、戰爭とに關する魅力と、また、總てのものから離れてゆく苦痛と、期しがたい生還とがあつた...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
...それはタッタあれだけの時間の中に寺田に未知の世界を知らせ...
蘭郁二郎 「魔像」
...遙かな彼方の未知の世界への衝動を持たなかった...
和辻哲郎 「鎖国」
...アラビア人の刺戟によって惹き起された未知の世界への関心である...
和辻哲郎 「鎖国」
...今やアメリカ大陸の西に横わる大洋が未知の世界として解決を要求する...
和辻哲郎 「鎖国」
...しかし未知の世界に対する強い好奇心...
和辻哲郎 「鎖国」
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