...決して未知の男ではなかった...
江戸川乱歩 「吸血鬼」
...自分の母を恋うる気持はただ漠然(ばくぜん)たる「未知の女性」に対する憧憬(どうけい)...
谷崎潤一郎 「吉野葛」
...しかし要を得た説明は子供の頭に眠っている未知の代数学を呼び覚ますには充分であった...
寺田寅彦 「アインシュタイン」
...この悪臭によって自分はこの現世から突きはなされてただ一人未知の不安な世界に追いやられるような心細さを感ずるのであった...
寺田寅彦 「試験管」
...直線などと云う要素が全く未知の概念である以上之は論理的な矛盾を含む筈はない...
戸坂潤 「幾何学と空間」
...その未知の友の文中に感ぜられる誠実の調子によって...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...未知の世界に対する一種神秘的な違法行為であり...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...キャベェの「イカリ旅行記」もみな南方の未知の国へ理想郷を探しに行くといった趣向になっていたが...
久生十蘭 「南極記」
...未知の私のところに宿を乞ひに来たのであつたが...
牧野信一 「心象風景」
...本所にも深川にも未知の寄席がじつに多くて浪曲をかけていた...
正岡容 「わが寄席青春録」
...未知の町が横たわっているのである...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「衣裳戸棚」
...恰も蘭軒未知の人を紹介するが如くである...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...それに或る未知の女は己の死を欲する...
アンリ・ド・レニエエ Henri de Regnier 森林太郎訳 「復讐」
...順序としてその不可思議な未知の人物の事から書き始めさして頂きます...
夢野久作 「少女地獄」
...しんとして静かな楡の森の広大な墓地は多くの未知の死者が皆今日の心に親しく感ぜられて...
與謝野寛・與謝野晶子 「満蒙遊記」
...やはり未知の者へ...
吉川英治 「折々の記」
...彼方の水平線は常に蒸気が湧き不明瞭だったが、未知の木性羊歯、蘇鉄、鱗木、封印木からなる大ジャングルが都市の外に広がり、移ろう蒸気の中、悪ふざけのように群葉が波打つファンタスティックな様を見ることができた...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「時間からの影」
...アラビア人の刺戟によって惹き起された未知の世界への関心である...
和辻哲郎 「鎖国」
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