...竹 わたしは未だに黄疸(わうだん)ですよ...
芥川龍之介 「新緑の庭」
...信輔も――信輔は未だにニスの臭い彼の机を覚えている...
芥川龍之介 「大導寺信輔の半生」
...――彼は未だにありありとこの朝の百本杭を覚えてゐる...
芥川龍之介 「大導寺信輔の半生」
...それから若侍に化けた狐は(父は未だにこの若侍を狐だったと信じている...
芥川龍之介 「本所両国」
...未だにおれを大騒ぎしてくれる...
伊藤左千夫 「姪子」
...未だに何の形式にも表はれないことは団員諸氏に対して申わけのないことだと思つてゐます...
伊藤野枝 「編輯室より(一九一五年四月号)」
...来年はもう三十八だというのに、未だに私には、このように全然駄目なところがある...
太宰治 「親という二字」
...いまの日本では未だに...
田中英光 「さようなら」
...未だにじーいッと瞳を据えて私の方を睨んでいるように感ぜられ...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...」十九にしては、まだ二つ三つも若く見えるような、派手な薄紅葉(もみじ)色の、シッポウ形の友禅縮緬と水色繻子の狭い腹合せ帯を其処に解き棄てていたのが、未だに、私は眼に残っている...
近松秋江 「別れたる妻に送る手紙」
...経済学の定義は未だに完成していないといった...
レオン・ワルラス Leon Walras 手塚壽郎訳 「純粋経済学要論」
...自由主義哲学が今日の日本に未だに事実上存在しないのは...
戸坂潤 「日本イデオロギー論」
...どうして(未だに家柄の次には腕力が最もものを言ふ筈の)島民の間で衆人を懼れさせることが出來るか...
中島敦 「環礁」
...年輩とを以て未だに独身でゐるのはなぜかと云ふ怪訝(けげん)も同時に誰にも起る筈である...
長與善郎 「青銅の基督」
...どんな哲学者によっても未だに解明されてはいない...
デイビッド・ヒューム David Hume 井上基志訳 「人間本性論(人性論)」
...何故黒門というところだけに、おどりが夜おそくまであるのか、その点は、未だに判らない...
古川緑波 「このたび大阪」
...未だに歴然として殘つて居るのであります...
柳田國男 「潟に關する聯想」
...ことに、未だに、老賊が自分の姓を、あなたに名乗らせないのは、養父養子という名にあなたの武勇を縛っておくだけの考えしかないからです」「ああ、そうか...
吉川英治 「三国志」
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