...明治初年に沒したる大通中の大通細木香以を思はせる態の灑脱の趣があるのである...
太宰治 「人物に就いて」
...細木香以に就いては...
太宰治 「人物に就いて」
...なんという酒かわからないけれども罎詰めの正宗を飲んだあとでは程よく木香(きが)の廻っているまったりした冷酒の味が俄(にわ)かに口の中をすがすがしくさせてくれるのであったが...
谷崎潤一郎 「蘆刈」
...『鈴木藤吉郎』『細木香以』二小篇を読んだ...
田山録弥 「雨の日に」
...『細木香以』の一小篇を見てもわかる...
田山録弥 「雨の日に」
...まだ木香(きが)のするような借家などが...
徳田秋声 「蒼白い月」
...まだ木香(きが)のとれないくらいの新建(しんだち)であった...
徳田秋声 「あらくれ」
...木香の由かしい、天井の高い、床や違棚の造り方の、厭な気取のないところに古雅な趣きをもつた奥の八畳が、この頃初めてI―子に誘はれて来たときから、杉田の気に入つてゐた...
徳田秋聲 「草いきれ」
...江戸の富豪細木香以(さいきかうい)が老に至つて家を失ひ木更津にかくれすんだ時の句である...
永井荷風 「枯葉の記」
...――吾木香(われもかう)すすきかるかや秋くさの...
林芙美子 「清貧の書」
...その津藤に就いては森鴎外の「細木香以」(大正六年)がある...
堀辰雄 「芥川龍之介論」
...美くしい友禅の影はなくて檜の白木香り高い裡に静かに親属の手によって納められ...
宮本百合子 「悲しめる心」
...見ばえのせぬ吾木香(われもこう)などという香のあるものを霜枯れのころまでもお愛し続けになるような風流をしておいでになるのであった...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...細木香以(ほそきかうい)が治を請うた時...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...たまたま来ってこの細木香以を伝した...
森鴎外 「細木香以」
...(大正六年九・十月)――――――――――――――――――――右の細木香以伝は匆卒(そうそつ)に稿を起したので...
森鴎外 「細木香以」
...此女子は曩(さき)の日わたくしに細木香以の墓ををしへてくれた人である...
森鴎外 「壽阿彌の手紙」
...おもひのほかにつややかなのは吾木香であらう...
若山牧水 「秋草と虫の音」
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