...朧月夜(おぼろづきよ)の戸外へと彷徨(さまよ)い出たものとは思わず...
海野十三 「鞄らしくない鞄」
...船の出るまで花隈(はなくま)の朧月(おぼろづき)昭和十年四月二十四日 播水招宴...
高浜虚子 「五百句」
...くもりたる古鏡の如し朧月(おぼろづき)四月四日 一江招宴...
高浜虚子 「五百五十句」
...五朧月(おぼろづき)の夜...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...雨気(あまけ)を帯びた雲の間をば一輪の朧月(おぼろづき)が矢の如くに走っているのを見た...
永井荷風 「散柳窓夕栄」
...朧月も雲に隠れて...
野村胡堂 「新奇談クラブ」
...誂(あつら)へたやうな銀鼠色の朧月夜(おぼろづきよ)...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...朧月(おぼろづき)の精のやうに...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...朧月(おぼろづき)に透して見るまでもなく...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...落花を踏み朧月(おぼろづき)に乗じて所々を巡礼したが...
原勝郎 「東山時代における一縉紳の生活」
...かすむ夕(ゆふ)べの朧月(おぼろづき)よに人顏(ひとがほ)ほの/″\と暗(くら)く成(な)りて...
一葉女史 「ゆく雲」
...面白き朧月のゆふべ柴の戸を立ち出でゝそゞろにありけばまぼろしかと見ゆる往來のさまもなつかしながら都の街をはなれたるけしきのみ思ひやられて新橋までいそぎぬ...
正岡子規 「鎌倉一見の記」
...虚子(きょし)共に選びしうちに着(き)つゝなれし菖蒲重(しょうぶがさね)や都人(みやこびと)朧月堂(ろうげつどう)とある...
正岡子規 「病牀六尺」
...六条院はこの朧月夜(おぼろづきよ)の前尚侍と飽かぬ別れをあそばされたまま...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...昔に増してあらゆる点の完成されつつある跡の見える朧月夜の君の手紙がいっそうの魅力になって...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...冷たい賢がった女にだけなって逢っていて済むだろうかと朧月夜(おぼろづきよ)の尚侍(ないしのかみ)の心は弱く傾いていった...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...院は二条の朧月夜(おぼろづきよ)の尚侍になお心を惹(ひ)かれておいでになるのであったが...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...月は無かつたが朧月夜(おぼろづきよ)と云つた風に薄く曇つて居る星明りの中に汽車から下(お)りて直(す)ぐ前の桟橋に繋がれた汽船へ乗移つた...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
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