...そのために春の朧月といふやうなものが現れて...
高濱虚子 「二百二十日」
...大宝寺朝まゐりはわたくし一人の銀杏ちりしくお山は霧のしんしん大杉そそり立つへんろ宿お客もあつたりなかつたりコスモス枯れ/″\霧の中から霧の中へ人かげ雑木紅葉のかゞやくところでおべんたう秋風あるいてもあるいても蓮月尼 宿かさぬ人のつらさをなさけにて朧月夜の花の下臥十一月二十二日――二十六日 藤岡さんの宅にて...
種田山頭火 「四国遍路日記」
...それは朧月といひたいものだつた...
種田山頭火 「松山日記」
......
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...朧月夜(おぼろづきよ)...
中島敦 「光と風と夢」
...朧月(おぼろづき)の暈(かさ)のように何等か詩的な聯想(れんそう)をフリンジに帯びて...
「木下杢太郎著『唐草表紙』序」
...何とも言えない女の悲鳴が――」「身振りまでしなくたっていい」「朧月(おぼろづき)で...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...朧月の街に飛び出したのです...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...月は?」「朧月(おぼろづき)であつたよ」後ろから續く吉彌は應へました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...艶(なまめ)かしい朧月夜の情感が...
萩原朔太郎 「郷愁の詩人 与謝蕪村」
...折釘(おれくぎ)に烏帽子(えぼし)かけたり宵の春春の夜に尊き御所(ごしょ)を守(も)る身かな春雨や同車の君がさざめ言(ごと)ほととぎす平安朝を筋(すじ)かひにさしぬきを足で脱(ぬ)ぐ夜や朧月(おぼろづき)引例を見ても解るように...
萩原朔太郎 「郷愁の詩人 与謝蕪村」
...落花を踏み朧月(おぼろづき)に乗じて所々を巡礼したが...
原勝郎 「東山時代における一縉紳の生活」
...面白き朧月のゆふべ柴の戸を立ち出でゝそゞろにありけばまぼろしかと見ゆる往來のさまもなつかしながら都の街をはなれたるけしきのみ思ひやられて新橋までいそぎぬ...
正岡子規 「鎌倉一見の記」
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正岡子規 「俳人蕪村」
...朧月夜(おぼろづきよ)の暗くなった時分に左大臣家に来た...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...カマスは茶皮の印伝、筒は鉄哉の象牙彫、金具は香川勝広作赤銅の狸に純金の薄、緒〆は白金の平丸形で表が満月、裏が朧月、塚田秀鏡の作で、すべて飄逸にしてしかも高雅の逸品、はたして宮内省の御用品となった...
山本笑月 「明治世相百話」
...月は無かつたが朧月夜(おぼろづきよ)と云つた風に薄く曇つて居る星明りの中に汽車から下(お)りて直(す)ぐ前の桟橋に繋がれた汽船へ乗移つた...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
...朧月(おぼろづき)が更(ふ)けている...
吉川英治 「三国志」
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