...朦朧とした二尊の金甲神(きんこうじん)が...
芥川龍之介 「邪宗門」
...黒い朦朧としたものが...
江戸川乱歩 「悪魔の紋章」
...文太郎は稍朦朧とした瞳にぢつと春三郎を見て...
高濱虚子 「續俳諧師」
...その王の朦朧とした眼の前へ女の姿が見えた...
田中貢太郎 「蘇生」
...形の朦朧とした小坊主が火のついた木の枝を持って立っていた...
田中貢太郎 「妖怪記」
...彦根の城閣も朝霧の中に朦朧とした輪廓を見せて來た...
近松秋江 「湖光島影」
...醉眼朦朧とした顏に醉いどれに附きもののだらだらした微笑を浮かべて...
ドストエーフスキイ 神西清訳 「永遠の夫」
...酔夢朦朧とした私の頭の中には...
外村繁 「日を愛しむ」
...私の朦朧とした記憶の中に...
外村繁 「澪標」
...朦朧とした意識のまま...
豊島与志雄 「碑文」
...また朦朧とした黒い物影が...
中里介山 「大菩薩峠」
...かなり朦朧とした頭の何処かで...
中島敦 「夾竹桃の家の女」
...朦朧とした気持ちも...
林芙美子 「放浪記(初出)」
...朦朧とした眼つきの男は...
原民喜 「小さな村」
...朦朧とした向うには淡路島の描かれた書割を置く...
藤野古白 藤井英男訳 「人柱築島由来」
...移り動く朦朧とした暗...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...尤も、私が最初にそれを聞いたときは、無意味な、たゞ眞鍮でも叩くやうな氣がしたのだけれど――「“Da trat hervor Einer, anzusehen wie die Sternen Nacht.”(そのとき、星輝ける夜の如き者現はれぬ)素敵! 素敵!」黒眼勝(くろめがち)の深い瞳を輝かせて、彼女は叫んだ、「ね、朦朧とした、偉大な大天使が、あなたの前に程よく坐つてゐるのよ! この句は誇張したものを百頁讀む程の價値があるわ...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...朦朧とした手つきで返事を書いた...
横光利一 「火の点いた煙草」
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