...あらゆる差別のやうに朦朧(もうろう)としてゐる...
芥川龍之介 「文芸的な、余りに文芸的な」
...朦朧と映し出している...
江戸川乱歩 「悪魔の紋章」
...天気朦朧(もうろう)たる事数日(すじつ)にして遠近(ゑんきん)の高山(かうざん)に白(はく)を点(てん)じて雪を観(み)せしむ...
京山人百樹刪定 「北越雪譜」
...皎々(けう/\)たる月遽然(にはか)に曇(くも)りて朦朧(まうろう)たり...
京山人百樹刪定 「北越雪譜」
...猶(なほ)朧朦氣(おぼろげ)に見(み)た...
アントン・チエホフ Anton Chekhov 瀬沼夏葉訳 「六號室」
...さういふ時身体全体は依然として朦朧と立つてゐる...
高村光太郎 「能の彫刻美」
...心気朦朧(もうろう)として...
橘外男 「墓が呼んでいる」
...じろりと出来るだけ陰惨な一瞥をくれてこの「やあ(アロウ)!」の出所を究明した私の眼に朦朧(もうろう)と――紫煙をとおして――うつったのは...
谷譲次 「踊る地平線」
...今も私の脳裡に朦朧と...
外村繁 「澪標」
...おばさまはもう意識が朦朧としていた...
豊島与志雄 「聖女人像」
...余は日本人の皮膚の色とその朦朧(もうろう)たる顔面並にやや遅鈍なる輪廓は写楽の手法を以てするの外(ほか)決して他にこれを現はすの方法なかるべしと信ずるものなり...
永井荷風 「江戸芸術論」
...朦朧(もうろう)と...
夏目漱石 「草枕」
...どっちがどっちだか分らなくなって朦朧(もうろう)のうちに合体稠和(がったいちゅうわ)して来た...
夏目漱石 「坑夫」
...意識が朦朧となつてしまつてゐた...
萩原朔太郎 「中央亭騷動事件(實録)」
...朦朧と闇の中から浮きだしてきて敬礼をすると...
久生十蘭 「だいこん」
...酔眼朦朧たる加十の眼にもこれは実以て美事な眺めなのだ...
久生十蘭 「魔都」
...私に似ても肖付(につ)かぬ朦朧(もうろう)写真であったのに...
夢野久作 「キチガイ地獄」
...海は灰色の霧でいかにも朦朧としてゐた...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??