...朦朧(もうろう)として婦人(おんな)あり...
泉鏡花 「活人形」
...迷晦朦朧として黄昏男と言はれても...
泉鏡花 「遺稿」
...我在りと自覚するに頗(すこぶ)る朦朧(もうろう)の状態にあった...
泉鏡花 「おばけずきのいわれ少々と処女作」
...意識の朦朧(もうろう)たる裡(うち)にも...
海野十三 「鞄らしくない鞄」
...朦朧(もうろう)と見えて来るのだ...
江戸川乱歩 「悪魔の紋章」
...けれども時代の意識は朦朧(もうろう)として...
大隈重信 「現代の婦人に告ぐ」
...ただその姿のなんとなく朦朧(もうろう)たるところがたしかに幽霊であることを思わせた...
ストックトン Francis Richard Stockton 岡本綺堂訳 「世界怪談名作集」
...奴さんの意識は朦朧(もうろう)となってしまったさ...
田中貢太郎 「雨夜草紙」
...朦朧(もうろう)とした谷底を石狩川が唯颯(さあ)...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...オリヴィエはその朦朧(もうろう)とした言い渋りがちの魂を...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...生命を覆(おお)うている朦朧(もうろう)たる霧を己(おの)が光輝でつん裂く...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...朦朧(もうろう)として四辺(あたり)を見廻すと...
中里介山 「大菩薩峠」
...叙景に於てもあなたは矢張り同じ筆法で読者の眼を朦朧(もうろう)と惹(ひ)き付(つ)ける事が好(すき)であるように見受けました...
「木下杢太郎著『唐草表紙』序」
...どっちがどっちだか分らなくなって朦朧(もうろう)のうちに合体稠和(がったいちゅうわ)して来た...
夏目漱石 「坑夫」
...朦朧(もうろう)たるものを明暸に意識し...
夏目漱石 「文芸の哲学的基礎」
...霊の交換をやって朦朧体(もうろうたい)で出合って見たりする事はとうてい出来なかった」「御気の毒様で」と寒月君が頭を下げる...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...酩酊して朦朧となりかけると...
久生十蘭 「蝶の絵」
...朦朧と光をにじませている...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「ある幸福」
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