...無鑑札の朦朧車夫(もうろうしやふ)なり...
芥川龍之介 「骨董羹」
...朦朧(もうろう)として映りました...
芥川龍之介 「竜」
...余は朦ろなる事物を余自身に價値あるものとして創造する...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...その挙動(ふるまい)も朦朧(もうろう)として...
泉鏡花 「伊勢之巻」
...釜前の湯気に朦(もう)として立っていた...
泉鏡花 「歌行燈」
...それも宵ながら朦朧(もうろう)と閉っていて...
泉鏡花 「唄立山心中一曲」
...小灯(こともし)の朦々(もうもう)と包まれた湯気の中から...
泉鏡花 「婦系図」
...あとはまた精神が朦朧(もうろう)としてしまって覚えがない...
海野十三 「流線間諜」
...彼女は海岸で身体は丈夫になり朦朧(もうろう)状態は脱したが...
高村光太郎 「智恵子の半生」
...地炉の火の光で頭だけ朦朧と見えていた旅僧の右の手は...
田中貢太郎 「怪しき旅僧」
...そこへ引き入れられた光線が凹みの此処彼処へ朦朧(もうろう)たる隈(くま)を生むようにする...
谷崎潤一郎 「陰翳礼讃」
...朦朧(もうろう)と立ち罩(こ)める中に...
谷崎潤一郎 「秘密」
...ある朦朧(もうろう)とした深さが黒服の女の姿を包んでいる...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...叙景に於てもあなたは矢張り同じ筆法で読者の眼を朦朧(もうろう)と惹(ひ)き付(つ)ける事が好(すき)であるように見受けました...
「木下杢太郎著『唐草表紙』序」
...朦朧(もうろう)とした気持ちも...
林芙美子 「新版 放浪記」
...朦朧とあたりを眺めると...
久生十蘭 「予言」
...梨畑が朦朧と煙つた白色の中に薄れてしまひ...
北條民雄 「青春の天刑病者達」
...そういう一日ずつが経ってゆくごとに内儀の顔がずっとさきから心の中に生きていたことを朦朧(もうろう)として意識のなかにも感じた...
室生犀星 「蛾」
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