...余は朦ろなる事物を余自身に價値あるものとして創造する...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...朦朧(もうろう)と立っているように感じられる...
江戸川乱歩 「悪魔の紋章」
...或は朦朧(もうろう)と現われ来(きた)るエクト・プラスムのこの世のものならぬ放射光を目にする時...
江戸川乱歩 「悪霊」
...心も朦々(まう/\)として雑煮(ざふに)を祝(いは)ふことあり...
京山人百樹刪定 「北越雪譜」
...朦朧(もうろう)と動いている...
太宰治 「正義と微笑」
...朦朧(もうろう)と映ってくるんだよ...
橘外男 「棚田裁判長の怪死」
...おばさまはもう意識が朦朧としていた...
豊島与志雄 「聖女人像」
...」酔眼ばかりでなく、酔った意識が、朦朧として、体も支えかねる心地だった...
豊島与志雄 「どぶろく幻想」
...その中に朦朧(もうろう)として人が一人います...
中里介山 「大菩薩峠」
...朦朧(もうろう)として四辺(あたり)を見廻すと...
中里介山 「大菩薩峠」
...けれどももう少しで朦朧(もうろう)の境(さかい)に沈むべき性質(たち)のものであった...
夏目漱石 「門」
...万七の手から受取った櫛をお町の朦朧(もうろう)たる酔眼の前へ持って行きます...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...意識が朦朧となつてしまつてゐた...
萩原朔太郎 「中央亭騷動事件(實録)」
...さうして朦朧とした柳のかげからやさしい待びとのすがたが見えるよ...
萩原朔太郎 「定本青猫」
...アルルの近郊(プロヴァンス)に近い平坦な野原に朦朧とたたずむ橄欖(オリーブ)の矮林(わいりん)のそばを轟々(ごうごう)たる疾駆を続けてゆく...
久生十蘭 「ノンシャラン道中記」
...煙草の煙をとほして朦朧と見え隠れするので...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...總てはたゞ朦朧としてゐるだけだ...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...――朦朧(もうろう)たる眸が...
吉川英治 「新書太閤記」
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