...Hは朦朧(もうろう)たる酔眼(すゐがん)にこの景色を眺めると...
芥川龍之介 「東京小品」
...疲れた頭脳が直ぐ朦々(もやもや)となる...
石川啄木 「鳥影」
...人形の形は朦朧(もうろう)と...
泉鏡花 「活人形」
...この時朦朧(もうろう)として...
泉鏡花 「薄紅梅」
...彼女は、今や、長い歓喜の跡に、疲労を覚え、ほとんど呼吸さえもできず、汗さえも出つくし、その上に頭は昏み、両眼は朦朧とし、両頬も段々熱くなったが、自分でも何だか判らないし、厭になった...
魯迅 井上紅梅訳 「不周山」
...朦朧と映し出している...
江戸川乱歩 「悪魔の紋章」
...ただその姿のなんとなく朦朧(もうろう)たるところがたしかに幽霊であることを思わせた...
ストックトン Francis Richard Stockton 岡本綺堂訳 「世界怪談名作集」
...ブウス氏の場合と同様に朦朧たる...
リットン・ストレチー Lytton Strachey 片岡鉄兵訳 「エリザベスとエセックス」
...六月土用に入りても密雲冪々として天候朦々晴天白日を見る事殆ど稀なり(中略)毎日朝夕の冷気強く六月土用中に綿入を着用せり...
太宰治 「津軽」
...意識は朦朧としていたが...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 大久保ゆう訳 「サセックスの吸血鬼」
...余は日本人の皮膚の色とその朦朧(もうろう)たる顔面並にやや遅鈍なる輪廓は写楽の手法を以てするの外(ほか)決して他にこれを現はすの方法なかるべしと信ずるものなり...
永井荷風 「江戸芸術論」
...朦朧(もうろう)円タクの運転手と同じようなこの風をしていれば...
永井荷風 「※[#「さんずい+(壥−土へん−厂)」、第3水準1-87-25]東綺譚」
...かなり朦朧とした頭の何処かで...
中島敦 「夾竹桃の家の女」
...再び逢(お)うたばかりの朦朧(ぼんやり)した間柄と云い切ってしまった...
夏目漱石 「虞美人草」
...――すべて朦朧(もうろう)たる事実から受けるこの感じは...
夏目漱石 「明暗」
...少し遠ざかつて見ると背中の淡白(うすじろ)い処が朦朧(もうろう)として面白く見える...
正岡子規 「病牀六尺」
...ひと流れの霧が急がしそうに朦朧(もうろう)と動き始めた...
横光利一 「上海」
...朦朧(もうろう)とした面持で...
吉川英治 「剣の四君子」
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