...丁度その時庄兵衛氏は習慣の朝湯に入っていたが...
江戸川乱歩 「恐怖王」
...今朝湯(あさゆ)に行って来たの」私はそう云われて...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...朝湯――殊に温泉――は何ともいへない心持だ...
種田山頭火 「行乞記」
...あふるゝ朝湯のしづけさにひたる(湯口温泉)・こゝちようねる今宵は由布岳の下下車客五六人に楓めざましく雑木紅葉のぼりついてトンネル尿してゐる朝の山どつしりとすはつてゐる・自動車に轢かれんとして寒い寒い道昨日の宿は申分なかつたが...
種田山頭火 「行乞記」
...朝湯へはいる、私に許された唯一の贅沢だ、日本人は入浴好きだが、それは保健のためでもあり、享楽でもある、殊に朝湯は趣味である、三銭の報償としては、入浴は私に有難過ぎるほどの物を与へてくれる...
種田山頭火 「行乞記」
...朝湯のこゝろよさ...
種田山頭火 「行乞記」
...朝湯朝酒、申分なくて申分があるやうな心地がする、さてそれは何だらう...
種田山頭火 「行乞記」
...朝湯と昼寝と晩酌とあれば人生百パアだ!・すゞしく自分の寝床で寝てゐる・稲妻する夜どほし温泉(ユ)を掘つてゐる八月七日まだ雨模様である...
種田山頭火 「行乞記」
...これに朝湯が添へば申分なし...
種田山頭火 「行乞記」
...朝湯にははいれないけれど(湯銭もないので)...
種田山頭火 「其中日記」
...朝湯の快さは何ともいへない...
種田山頭火 「旅日記」
...思い立って人の少い朝湯へ連れて行くこともあった...
徳田秋声 「黴」
...彼女は毎朝大抵日が高く昇ってから朝湯に行った...
豊島与志雄 「生あらば」
...こうしてこの定連の朝湯客のなかには...
中里介山 「大菩薩峠」
...ああして朝湯に来るんだから...
中里介山 「大菩薩峠」
...室生犀星(むろうさいせい)氏が朝湯の好きな方だと云うことも...
林芙美子 「文学的自叙伝」
...朝湯にはいつてゐるらしい階下で湯の音がした...
室生犀星 「京洛日記」
...朝湯あがりの身を斜(はす)に...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集拾遺」
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