...したがつてその朝の間中船醉をしてゐる仲間の苦しみ方は相當同情に値するものがあつた...
海野十三(佐野昌一) 「南太平洋科學風土記」
...六その晩いっぱいとあくる朝の間じゅう...
ツルゲーネフ 神西清訳 「はつ恋」
...夏の光は朝の間だけその一劃にぎらぎらと射し込んだ...
チャールズ・ディッケンズ 佐々木直次郎訳 「二都物語」
...夜と朝の間隠れていよう...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...これは南北朝の間に出來た多くの歴史を...
内藤湖南 「支那史學史概要」
...わたしは思いがけぬ「カフェーの朝の間(ま)」というところを見て...
長谷川時雨 「一世お鯉」
...お天気のよい日、朝の間(ま)に、御不浄(ごふじょう)の窓から覗くと、襟の後に手拭を畳んであててはいるが、別段たぼの油が着物の襟を汚すことはなさそうなほど、丸くした背中まで抜き衣紋(えもん)にして、背中の弘法(こうぼう)さまのお灸(きゅう)あとや、肩のあんま膏(こう)を見せて、たすきがけでお釜の中のしめ糊を掻(か)き廻していた...
長谷川時雨 「旧聞日本橋」
...奥深い店の、奥の方の棚に、真鍮(しんちゅう)の火鉢の見本が並(なら)べてあるのが、陽(ひ)の光がどこからさすのか、朝の間のある時、通りがかりに覗(のぞ)きこむと、黄色くキラキラ光っていて、黄昏(たそがれ)に御仏壇を覗(のぞ)いたような店の家だった...
長谷川時雨 「鉄くそぶとり」
...しかるに一朝の間違いにて上野介なる者内匠頭へ無礼を加えしに...
福沢諭吉 「学問のすすめ」
...朝の間中読書灯をつけざるをえなかった...
A. ブラックウッド A. Blackwood The Creative CAT 訳 「盗聴者」
...一朝の間に消え失せて曾ての薄暗い古びた街の印象より他はなかつた...
牧野信一 「鱗雲」
...毎日きまって朝の間に二三枚ずつ書いてゆかれるということである...
三木清 「西田先生のことども」
...朝の間は石の心も静まっていると見えるからである...
室生犀星 「庭をつくる人」
...朝の間(ま)と夕方だけ馬を歩かせるので...
夢野久作 「狂人は笑う」
...大方朝の間が多うございました」「貴女(あなた)のお住居(すまい)は……」「申し上げられませぬ」「何故...
夢野久作 「暗黒公使」
...朝の間に」「もうか」「朝の灸治は...
吉川英治 「私本太平記」
...そして浄(きよ)らかな朝の間の陽ざしを浴(あ)みに...
吉川英治 「新書太閤記」
...朝の間、ちょっと、太陽を見たが、そのうちにまた、乳いろの霧が、全山全軍、すべての視界をつつんだ...
吉川英治 「新書太閤記」
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