...そうして楽屋(がくや)からは朗々と...
芥川龍之介 「奇怪な再会」
...葉子には何らの感興も起こさせない長詩を例の御自慢の美しい声で朗々と吟じたりした...
有島武郎 「或る女」
...如何にも豊富で朗々としていることを知った...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...口を開けばこそ、音吐朗々として、眞に凛たる男兒の聲を成すが、斯う無音の儘で相對して見れば、自分はモウ直視するに堪へぬ樣な氣がする...
石川啄木 「雲は天才である」
...朗々としたバスの声が響いた...
江戸川乱歩 「黒蜥蜴」
...「もう手遅れです」甘く朗々とした鐘の音が...
マリー・ルイーズ・ド・ラ・ラメー Marie Louise de la Ramee 荒木光二郎訳 「フランダースの犬」
...陛下はまだ三十歳位の御年齢でおわしたが勅語は朗々としていかにも確かな御声であった...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...朗々として得意の吟声を試み出でようとしました...
中里介山 「大菩薩峠」
...李徴の声は叢の中から朗々と響いた...
中島敦 「山月記」
...そのうちの或頁(あるページ)を朗々と読み始めた...
夏目漱石 「博士問題とマードック先生と余」
...始めて朗々と響きました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...その近づき難き天涯の底に朗々と晴れわたって...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...唯高声に或は低声に朗々と吟じ去り吟じ来つて日本語の美を味はへばそれが一番よいことであつて...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...一度よりは二度と味いを増しつつ朗々と吟誦されたとき感歎に声もなしという風だった...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...朗々としたおことば...
吉川英治 「私本太平記」
...朗々と歌って聞かせた...
吉川英治 「親鸞」
...彼の跫音(あしおと)も耳へは入らないらしく朗々と...
吉川英治 「親鸞」
...北国特有の月が、ふと、吹雪の空に冴える夜など、ふと、そこから朗々と、無量寿経(むりょうじゅきょう)の声が聞えることがある...
吉川英治 「親鸞」
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