...そうして楽屋(がくや)からは朗々と...
芥川龍之介 「奇怪な再会」
...葉子には何らの感興も起こさせない長詩を例の御自慢の美しい声で朗々と吟じたりした...
有島武郎 「或る女」
...朗々と鳴りだしました...
海野十三 「怪塔王」
...兩將其船を左右(さう)の眞先に並べしむ)大王かくて朗々の大音放ち叫び曰ふ...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...I氏の方が背が高いだけに音吐朗々たるものがあったことだけは報告してもさしつかえない...
戸坂潤 「『唯研ニュース』」
...どうぞ頼む――そこで観世太夫が朗々として一曲を試むると...
中里介山 「大菩薩峠」
...朗々と音を挙げていることは確実なのですが...
中里介山 「大菩薩峠」
...朗々たる音声でなかなかうまく述べ立てているのを聴くと...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...耳に朗々と響く音吐の底力ある地謡の声を聞いてゐると...
野口米次郎 「能楽論」
...朗々と聽えてゐた...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...手にはドキドキする鎌(かま)を持つて、汚ない布子のジンジン端折り、捻(ねぢ)り鉢卷がそのまゝずつこけたやうに、煮締めた手拭を、緩く首に卷いて、恐ろしい無精髯、金壺眼で、狐面で、聲だけは朗々と、威壓と虚勢に馴れた凄いバリトンです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...今朝噴水の鶴が朗々と「安南の国歌」を朗誦したと聞くと...
久生十蘭 「魔都」
...けれども実に張りきった声で音吐朗々と啼(な)き...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...一度よりは二度と味いを増しつつ朗々と吟誦されたとき感歎に声もなしという風だった...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...読誦之声朗々...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...即ち至誠神明に通ずる底(てい)の神気を以て朗々と吟誦するのです...
夢野久作 「謡曲黒白談」
...音誦朗々(おんずろうろう)――衆僧の読経もまたつづく...
吉川英治 「親鸞」
...しかも、朗々と、藺(い)のすだれの陰からは、伊織の読書の声がながれている...
吉川英治 「宮本武蔵」
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