...長いこと想い出すおりもなかった耳ざわりのいい漢文のことばがおのずから朗々(ろうろう)たるひびきを以(もっ)て唇(くちびる)にのぼって来る...
谷崎潤一郎 「蘆刈」
...ある人は朗々と大きな声で面白いような抑揚をつけて読んだが...
寺田寅彦 「鑢屑」
... 220されど胸より朗々の聲迸り...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...直ちに音吐朗々の傳令の徒に命(めい)下し...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...勤行(ごんぎょう)の響きが朗々として起る...
中里介山 「大菩薩峠」
...朗々と文章を読み上げているのですから...
中里介山 「大菩薩峠」
...「あれです――初唐の古詩をああして朗々とやり出すかと思えば...
中里介山 「大菩薩峠」
...朗々と詠誦いたしたのでありました...
久生十蘭 「魔都」
...唯朗々と読み上げて一関の感動を覚えればそれでよいのである...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...次の男は朗々たる長唄を吟じた...
牧野信一 「蝉」
...木村は朗々たる男声で歌ふが如く口吟んだ...
牧野信一 「渚」
...朗々たる音吐(おんと)を以て演出せられて...
森鴎外 「余興」
...「本大臣は本日ここに諸君に見(まみ)ゆる光栄を有する事を喜ぶ」とか何とか音吐朗々とやっております...
夢野久作 「鼻の表現」
...朗々として政治を併呑しなければならない...
横光利一 「黙示のページ」
...だから、坊さんが、お經を讀むのを聞いてゐると、隨所で、「阿(あ)、阿(あ)、阿(あ)ア‥‥」と引つぱツては又、朗々と、續けてゆく...
吉川英治 「折々の記」
...音吐(おんど)も朗々と聞えた...
吉川英治 「三国志」
...つつしんで賀唱いたします――」銅雀台(ドウジャクダイ)高ウシテ帝畿(テイキ)壮(サカン)ナリ水明ラカニ山秀イデ光輝ヲ競ウ三千ノ剣佩(ケンパイ)黄道(コウドウ)ヲ趨(ハシ)リ百万ノ貔貅(ヒキユウ)ハ紫微(シビ)ニ現ズと朗々吟じた...
吉川英治 「三国志」
...列座の衆僧の声が朗々と...
吉川英治 「親鸞」
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