...有難いことである...
石川欣一 「山を思う」
...自分で宿料を払つてゐて、一週間なり十日なり、無料(ただ)で近所の人達に聞かして上げるのだツさ、今のその、有難いお話な...
石川啄木 「赤痢」
...そして彼女のために働く機會を與へられたのは有難いと述べたてた...
スティーヴンスン 佐藤緑葉訳 「帽子箱の話」
...愈自分の身體が自分のものになるといふ瞬間程有難いものはなかつた...
關口存男 「新獨逸語文法教程解説」
...すると有難いもので店の売上げは日に日に上向き...
相馬愛蔵、相馬黒光 「一商人として」
...聖上の思し召しまことに何んとも有難い次第である...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...なによりも有難いことには...
橘外男 「令嬢エミーラの日記」
...その他の物以上に有難いとは思はない...
種田山頭火 「行乞記」
...こういうのは最も有難い読者である...
寺田寅彦 「随筆難」
...内地留学は海外留学よりもズット有難いことに違いない...
戸坂潤 「社会時評」
...」「そいつあ有難い...
豊島与志雄 「不肖の兄」
...一学年の単調を破る変化としても有難いものに違いなかったのです...
夏目漱石 「こころ」
...年内には紅屋に嫁入りさせてやる」「有難い...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...有難い仕合せみたいなもので――」ムダをいいながらも平次の頭は恐ろしい勢いで動いているのでした...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...そして今は「あたりや」の主人夫婦ほど有難い人はないのである...
矢田津世子 「鴻ノ巣女房」
...「どうした」と喜兵衛が眼をあげた、「まだ寝なかったのか」「今夜はなんだか淋しいのよ」おしのは小さく肩をゆすった、「お父つぁんが寝てくれなければ眠れそうもないの」喜兵衛はそっと笑った、「有難いが、私は大丈夫だよ」「あたし本当に淋しいのよ」「わかってる」と喜兵衛はまた帳面に向かって筆を取った、「私は大丈夫だよ、自分の躯のことはよく知っているからね、もういって寝なくちゃあだめだよ」そして徳次郎と読み合せを続けた...
山本周五郎 「五瓣の椿」
...不意に人の足音が、路の上を急ぐ足音が! こんな時刻に、何人が通るのか? 彼女は跳ね起きた、魂の底まで搖られて、心臟の動悸も止みさうであつた‥‥何人かが戸口でとまつた、小さな石段を登つて來た‥‥彼だ!‥‥おゝ、有難い、彼だ! コツ、コツ、と戸を叩く...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
...次郎」「ウソなんか言うものか」「そいつが真実(ほんとう)なら有難い話だが」「お蝶ばかりでなく...
吉川英治 「江戸三国志」
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