...話が無いと云つて貰つたのが有難い樣な氣もする...
石川啄木 「病院の窓」
...「親ほど有難いものはない……」正造は溜息を吐くように洩らし...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...私は河内さんを有難いと思った...
太宰治 「善蔵を思う」
...」まことに有難い祝辞で...
太宰治 「津軽」
...もし御上京のついでに出席して下さる方があれば有難いが...
谷崎潤一郎 「細雪」
...無事に此の家(や)にゐてくれたのは有難いが...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のをんな」
...有難いことに、貴樣らはおっつけ乞食をするだろうが、鬼婆みたいな貴樣の母親がおれの家の前にきたって、かびだらけのパンきれ一つもらえやしないぞ...
アネッテ・フォン・ドロステ=ヒュルスホフ Annette von Droste=Hulshoff 番匠谷英一訳 「ユダヤ人のブナの木」
...今度三松氏の快諾を得てこの略図を転載することが出来たことは有難い次第である...
中谷宇吉郎 「天地創造の話」
...まことに有難い次第である...
中谷宇吉郎 「娘の結婚」
...有難いというのが...
新渡戸稲造 「人格を認知せざる国民」
...「それは有難(ありがた)いな、吉か、半吉か、まさか凶ではあるまいな」「吉か、凶かは存じませんが、旦那様のお覚召(おぼしめし)もよく解りましたし、父とも相談して、いよいよ御言葉に従うことにいたしました」「え、本当か、それは、有難いな、いよいよ話が決れば、この水茶屋の株などは人にやって了(しま)って、お前の好きなところへ一軒」「あの、お言葉中ですが」「何んだお駒」「旦那様の御側へ置いて下されば、妾、手掛はおろか、召し使(つかい)でも厭(いと)うことでは御座(ござ)いませんが、なるべくは、吹屋町のお屋敷の方へ置いて頂き度う御座います」「それは又異な望みだな、窮屈ではないか」「それも覚悟して居ります、女と生れて、旦那様のような立派なお方と契った冥利に、金座のお屋敷にたった一日でも住んで見度いので御座います」「フーム」家門に対する自負心があるだけに、お駒の望みが、三之丞には尤もに聞えました...
野村胡堂 「黄金を浴びる女」
...「…………」「有難い...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...何んといふ有難い天道(てんたう)樣の覺し召しか...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...今思いましても有難い極みでございます...
浜尾四郎 「殺された天一坊」
...まことに有難いことでした」イヴォンヌさんに肘で突かれて...
久生十蘭 「キャラコさん」
...有難いことにこういう仕事こそ少からぬ悦びを伴います...
柳宗悦 「益子の絵土瓶」
...加増はなにより有難いよ」そして甲斐は立ちあがった...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...下々(しもじも)の難儀を救い取らせよとの有難い思召(おぼしめし)によって...
夢野久作 「名娼満月」
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