...それは有り難い友情の表はれであることを百も承知してゐながら...
石川三四郎 「浪」
...親らしい愛情と細かい心づかいの籠った聞くだけでも有り難いものだったそうだが...
中勘助 「結婚」
...彼等はそれを能(よ)う踏むであらうか? 踏んでくれるならば有り難い...
長與善郎 「青銅の基督」
...従来はもっと有り難い大燈光であったのが...
シモン・ニューコム 黒岩涙香訳 「暗黒星」
...何と有り難い仰せぢやあるまいかなう...
平出修 「夜烏」
...大金を出して雇ってくれている雇主(やといぬし)は世にも有り難い人であると...
平林初之輔 「犠牲者」
...有り難いことには月の夜である...
平林初之輔 「動物園の一夜」
...有り難いことに背後から駆けつける靴音がした...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「本命馬」
...有り難い筈の吾々客人に対して...
牧野信一 「山彦の街」
...実に有り難い...
正岡子規 「墓」
...五行目からの有り難い文句が...
夢野久作 「悪魔祈祷書」
...有り難いみ仏の手で成仏して...
夢野久作 「あやかしの鼓」
...ハラショ……有り難い有り難い...
夢野久作 「死後の恋」
...俺にこのような貴い有り難い宝物(ほうもつ)を近づけぬようにして...
夢野久作 「白髪小僧」
...有り難い御言葉を承りまして...
夢野久作 「白髪小僧」
...有り難い...
夢野久作 「暗黒公使」
...この上もない有り難い口実であった...
夢野久作 「東京人の堕落時代」
...二週間のうちには、後にしてきた極地を思い出させるものは何一つなくなり、有り難いことに、この惑星のまだ冷えやらぬ外殻の上で物質が初めて身悶えし泳ぎ回っていた未知の時代において生と死、空間と時間が暗く冒的な同盟を結んでいたところの、憑かれ呪われた領域から離れたのである...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「狂気の山脈にて」
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