...有りもしない馬鈴薯を収穫することが出来やうか...
石川三四郎 「馬鈴薯からトマト迄」
...全く有り得べからざる奇蹟が海上において起ったのである...
海野十三 「地球要塞」
...それを有り合せの笊へ入れてこちらへ来る...
鈴木三重吉 「桑の実」
...協(かな)はずば世を捨てんまで我を思ひくれし人の情の程こそ中々に有り難けれ...
高山樗牛 「瀧口入道」
...有りもしないことを言って...
徳田秋声 「縮図」
...兼(かね)て松陰吉田氏の事に付いては取り調べたき事もこれ有り...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...彼れ政友会に入るに臨み、極めて正直に、有りのまゝに、自己の心事を人に語りて曰く、我家の資産は、祖先が政治上に於て獲得したるものなり...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...冬の部凧(いかのぼり)きのふの空の有りどころ北風の吹く冬の空に...
萩原朔太郎 「郷愁の詩人 与謝蕪村」
...だがもう些(ちっ)と後(のち)にしましょう」「何か御用が有るの」「イヤ何も用はないが……」「それじゃア宜(いい)じゃア有りませんか...
二葉亭四迷 「浮雲」
...貴君(あなた)の所(とこ)に今日の新聞が有りますか」「ハイ有ります」「もうお読みなすッたの」「読みました」「それじゃア拝借」トお勢は文三の跡に従(つ)いて二階へ上る...
二葉亭四迷 「浮雲」
...有り金を全部、持っていますね...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「諜報部」
...「有りがたう、Mさん――」涙が出さうに私は亢奮してゐた...
牧野信一 「競馬の日」
...あるいは実際有り得べからざることを詠みたるものこれなり...
正岡子規 「俳人蕪村」
...有りもせぬ標準語の対訳を見つけるに苦しんでいる...
柳田国男 「木綿以前の事」
...こんな有り難い事はない...
夢野久作 「白髪小僧」
...皆さんどなたも御経験お有りの方ばかりのようですが...
横光利一 「旅愁」
...御周旋(ごしゅうせん)して下さるかも知れねえ」「有り難うございます...
吉川英治 「脚」
...有り明けの情調を...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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