...民或は愛(あい)に溺(おぼ)れ身を殞(おと)す者有り...
佐藤一齋・秋月種樹(古香) 山田濟齋訳 「南洲手抄言志録」
...仕方が有りませんから……旦那様が夜道を成さるのは私に取って何よりも心丈夫で御座います...
江見水蔭 「死剣と生縄」
...廿七日、戊寅、霽、宮内兵衛尉公氏、将軍家の御使として、和田左衛門尉の宅に向ふ、是義盛用意の事有るの由聞食すに依りて、其実否を尋ね仰せらるるの故なり、晩景、また刑部丞忠季を以て御使と為し、義盛の許に遣はさる、世を度り奉る可きの由、其聞有り、殊に驚き思食す所なり、先づ蜂起を止め、退いて恩裁を待ち奉る可きなりと云々...
太宰治 「右大臣実朝」
...コロボツクルの織り物中にはアイヌの衣服原料(いふくげんれう)よりは更に精巧(せいこう)なるもの有りしなり...
坪井正五郎 「コロボックル風俗考」
...且つ額の部には輪廓の上縁より多少(たせう)下(した)の方に向ひて延(のび)たる隆まり有り...
坪井正五郎 「コロボックル風俗考」
...然らば韓国宮廷の陰謀を根絶するに策なきか、曰く是れ有り、唯だ時間の力是れのみ...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...そういうものはいったい有り得るであろうか...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...それがわたくしには有り得べからざる事のように考えられた...
永井荷風 「※[#「さんずい+(壥−土へん−厂)」、第3水準1-87-25]東綺譚」
...そうして泪を流す事が彼等の睦事なのではないのでしょうか? 続けて語られた密語は最早や記憶には有りません...
西尾正 「陳情書」
...ニイチェのそれと同じで有り得た...
萩原朔太郎 「詩の原理」
...「お邪魔じゃ有りませんか」「イイエ」「それじゃア」ト云いながら文三は部屋へ這入(はい)ッて坐に着いて「昨夜(さくや)は大(おおき)に失敬しました」「私(わたくし)こそ」「実に面目が無い...
二葉亭四迷 「浮雲」
...能(よ)く交際して見ればそんなに貴君のお言いなさるように破廉耻(はれんち)の人じゃ有りませんワ」文三は黙然(もくねん)としてお勢の顔を凝視めていた...
二葉亭四迷 「浮雲」
...世間に有り触れた媒酌という一つの行為にすぎない...
宮本百合子 「伊太利亜の古陶」
...ズズダマの名の起こりのツシタマとは他人では有り得ない...
柳田国男 「海上の道」
...すこし有りふれては産婆...
夢野久作 「東京人の堕落時代」
...極く極く有り触れた種類のものばかりであるが...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...且つ発育円満なる少年に有り勝ちの特徴として事件発生前より...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...私の磅(ポンド)が純良な磅(ポンド)貨幣でないということ以外の理由で有り得ようか? ――私の磅(ポンド)は減価せられたのであり...
デイヴィド・リカアドウ David Ricardo 吉田秀夫訳 「経済学及び課税の諸原理」
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