...それは北海道にも珍らしく五月雨(さみだれ)じみた長雨がじと/\と薄ら寒く降り続いた六月半ばの事だつた...
有島武郎 「お末の死」
...▲トマトの植付 五月半ば頃...
石川三四郎 「百姓日記」
...ただ八月の月半ばまでには帰って来るであろうところの私を待ち佗(わ)びていたのです...
海野十三 「赤耀館事件の真相」
...もうこの世の命数も二三日に迫っているという九月半ばの夜であった...
「草藪」
...三月半ばの、奈良のやうな氣候の土地ではまだ梅さへも蕾が固く、現に私など眞冬の外套を着てゐると云ふ黄昏時に、いくら踊つてゐるにしてもあの長襦袢一枚で寒いことはないだらうか...
谷崎潤一郎 「二月堂の夕」
...無理を云って山の避暑地に九月半ばまで居残ったが...
豊島与志雄 「霧の中」
...然るに三月半ばから...
豊島与志雄 「十一谷義三郎を語る」
...九月半ば、もんはやつとの思ひで上海へ戻り、工藤とはたつた一度支那料理店で逢つたきりで、もんは一年ぶりに東京へ戻つて來たのである...
林芙美子 「秋果」
...二月半ばごろから鼠がいなくなって...
武者金吉 「地震なまず」
...四カ月半ばかりの後...
森鴎外 「渋江抽斎」
...店の戸の開き始めた六月半ばになって...
横光利一 「欧洲紀行」
...月半ば過ぎだろうという事だのに...
吉川英治 「雲霧閻魔帳」
...冬雲の凍る十二月半ばの頃から...
吉川英治 「三国志」
...十月半ばである...
吉川英治 「私本太平記」
...伊賀を歩いていたのは四月半ば頃で...
吉川英治 「私本太平記」
...二月半ばの、蕭殺たる芦(あし)や荻(おぎ)は、笛のような悲調を野面に翔けさせ、雲は低く、迅く、太陽の面を、のべつ、明滅させていた...
吉川英治 「平の将門」
...ところが、九月半ば頃、大荒(おおあれ)の海をのり切って船が大阪港へ入った時、一通の電報が彼を待ち受けていた...
吉田甲子太郎 「秋空晴れて」
...一五五五年七月半ばには...
和辻哲郎 「鎖国」
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