...彼は最早死者だと思われていたが、奇跡的に生還した...
...最早正午を過ぎてしまったので急いで出かけよう...
...今度の地震で、被害額は最早五回になった...
...このチームは最早無敵の存在と化している...
...明日の朝早くには彼女が退院するそうで、最早安心した...
...最早同樣の感情と驚異とを以つて對する事が出來なくなつてゐることをも感ぜざるを得なかつた...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...最早正當な方法の前には何の感情をも起さなくなる樣な例はあるにしても...
石川啄木 「硝子窓」
...かの単一恋愛理想主義者は最早その恋愛の標準を彼等の上に強ふるの権能を有せざるものである...
エレン・ケイ 伊藤野枝訳 「恋愛と道徳」
...或はまた一度深き恋愛に誤まられたる後最早進んで新なる経験を味はんとする能力を失ふが如き人々もある...
エレン・ケイ 伊藤野枝訳 「恋愛と道徳」
...「赤い部屋」の中には、どこの隅を探して見ても、最早や、夢も幻も、影さえ止(とど)めていないのだった...
江戸川乱歩 「赤い部屋」
...最早(もはや)そこには...
江戸川乱歩 「踊る一寸法師」
...最早(もはや)連句の形を離れた自由な一篇の詩であった...
高浜虚子 「漱石氏と私」
...小僧とはいっても最早中(ちゅう)小僧で...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...奴(やつ)は最早(もう)死(し)んでゐるわい! あの眞白(まッしろ)な小婦(あまッちょ)の黒(くろ)い目(め)でしてやられた...
シェークスピヤ William Shakespeare 坪内逍遙訳 「ロミオとヂュリエット」
...「ただ一つ、訴状の筋、禁を犯しましたることが、無事、調所一人の自裁にて、納まりますや、否や、老中が、差赦しますか、何うか、軽輩、某の如き身分として、御老中の心中、幕府の政策を窺うのは、僭上(せんじょう)至極の沙汰に存ぜられまするが、某、思いまするに、幕府は最早、諸大名に対し、その勢力を失墜しておりまする...
直木三十五 「南国太平記」
...その教師が最早上海戦の犠牲となってこの世に亡き数に入ってしまったとの事である...
中里介山 「百姓弥之助の話」
...昨日まで大塚にお置き申したので御座りますが何分最早(もう)...
樋口一葉 「うつせみ」
...最早この男まで袋の中へ隠す訳にはゆかなかつた...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...春にこのセリを摘む時分には最早その前年の匐枝は多くは既に腐り去っているから...
牧野富太郎 「植物記」
...口言はんと欲して言ふ所を知らずただ「一兵卒………一兵卒………一兵卒同様ですか」とばかり言へり「さうサ一兵卒同様サ」此(ここ)に至りて最早談話を続ぐの余地なし...
正岡子規 「従軍紀事」
...最早あの位に出来候へば...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...最早(もう)お后になった知らせが来るか...
夢野久作 「白髪小僧」
...最早(もはや)、天地の間に彼の秘密を知っている者は一人も無い...
夢野久作 「笑う唖女」
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