...とう/\最後まで自分を誤魔化し得なかつた正直さに対しては尊敬しないではゐられないのであります...
伊藤野枝 「背負ひ切れぬ重荷」
...上皇の法の弟子である浄蔵が左大臣の邸に於いて最後まで加持祈祷の勤めをせず...
谷崎潤一郎 「少将滋幹の母」
...亡くなられる最後まで感謝しておいででした...
谷崎潤一郎 「途上」
...しかし彼が最後までこの方面の興味を捨て切れなかったことは...
寺田寅彦 「レーリー卿(Lord Rayleigh)」
...思いもかけませんでした……」ミウーソフは最後まで言いきらないうちにまごついてしまって...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...山で遭難した人の最後までの手記など...
豊島与志雄 「死因の疑問」
...最後まで名を書かなかったのは小林だけであった...
夏目漱石 「明暗」
...彼女は取すまして最後まで見物してのち...
長谷川時雨 「芳川鎌子」
...最後まで母国の名誉のために戦った勇士よ...
平田晋策 「昭和遊撃隊」
...一番最後まで滯在してゐた松平もとうとう歸つていつた...
堀辰雄 「ふるさとびと」
...最後まで生き拔く...
堀辰雄 「若菜の卷など」
...最後まで行くしかない...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「くちなしの花」
...最後までまともな場所へおいて理解するために...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...サーカス団の殿(しんがり)として最後まで残つてゐたらしいが...
三好十郎 「おスミの持参金」
...最後まで職業ずれのしなかった良心の人である...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...最後までお世話になっておりました岡沢先生御夫婦の親身も及びませぬ痛々しい御心配なぞ……そうして...
夢野久作 「押絵の奇蹟」
...足利一門の致命ともなりかねないような最悪の最後まで...
吉川英治 「私本太平記」
...「ぜひ、最後までは、御供(おんとも)を」と、それは、ここにいる者のすべての希(ねが)いだったが、頼朝も、他日を期して別れてくれと云い渡したので、人々は、やがて散々(ちりぢり)に、思い思いに、落ちて行くしかなかった...
吉川英治 「源頼朝」
便利!手書き漢字入力検索