...さうしてそれでなくとも陰鬱な顔を一層陰鬱にして最後までじつときいてゐた...
阿部次郎 「帰来」
...お前たちの為めに最後まで戦おうとする熱意が病熱よりも高く私の胸の中で燃えているのみだった...
有島武郎 「小さき者へ」
...ふたりの少年が最後まで残って...
江戸川乱歩 「サーカスの怪人」
...悪魔は彼の最初の出資とその後の何回も引つづいての投資に対して最後まで複利をしぼりつづける...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...「これが最後まで完結していないということは...
橘外男 「ウニデス潮流の彼方」
...ブレインさんを相手に最初の議論をしてそれはガロエイ卿も最後まではその議論を聞かれなんだが...
チェスタートン Chesterton 直木三十五訳 「秘密の庭」
...これを最後まで調べたいと思ったのです...
三上於菟吉訳 大久保ゆう改訳 「踊る人形」
...最後までそれを説伏するの意気込みは勇ましいもので...
中里介山 「大菩薩峠」
...じっと最後まで見詰めてやりたくなる癖がある...
中里介山 「大菩薩峠」
...最初から最後までお腹がすいたことばっかり言っている...
中里介山 「大菩薩峠」
...概してほとんど訴訟の最後まで被告との結びつきを持っている弁護側ほどには知っていないのが通常の例である...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「審判」
...最後まで寄り添ったんだ...
アーネスト・ヘミングウェイ Ernest Hemingway 石波杏訳 Kyo Ishinami 「老人と海」
...――しかし最後まで何の出來事らしいものを起らせずに...
堀辰雄 「匈奴の森など」
...最後までここに居ます」「悲しい目に会いますよ...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「くちなしの花」
...紫の女王はこうした思いやりのないことを言い出すこともすることも最後まで絶対にない女性であったと...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...信長の子らしく最後の最後まで戦った...
吉川英治 「新書太閤記」
...勝家は、眷族(けんぞく)八十余名と共に、閣の三重四重あたりで、寄手の屈強を引きつけ突き伏せ、最後の最後まで、血辷(ちすべ)りするほど奮戦していたが、一族の柴田弥右衛門、中村文荷斎(ぶんかさい)、小島若狭守などが、「早や、早や……御用意を」と、促すので、五重へ駈け上って、お市の方と居を共にし、まずその死を見て後、自身は文荷斎の介錯(かいしゃく)のもとに、腹掻っ切って果てたもののようである...
吉川英治 「新書太閤記」
...最後まで踏み止まる...
吉川英治 「源頼朝」
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