...人間の美しき性情の却つて最も赤裸々に發露せられたことで有つた...
石川啄木 「所謂今度の事」
...たゞ其任にある者、よくこの日東民族の大自覚に内省して、今回の事たる、たゞに東洋の平和のためのみならず、たゞに自家の利権保護のためのみならず、世界悠久の文明の進運の為めに、吾人が負へる民族的使命の下に健闘しつゝあるの一事を忘却するなく、最も大胆に、最も赤裸々に、最も荘厳に、吾人の要求を告白するの人たれば足る...
石川啄木 「閑天地」
...赤裸々に男女陰陽の關係を歌であらはしたり...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...赤裸々に男女陰陽の關係を...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...そして赤裸々に正直なところを打ち明けさせる...
高田保 「貸家を探す話」
...若し彼等をして其の衷心の所信を赤裸々に告白するの勇氣だにあらしめむか...
高山樗牛 「美的生活を論ず」
...そうして恐るべきわが内部生活の秘密を赤裸々に暴露するものである...
寺田寅彦 「映画芸術」
...西鶴だけは自分自身の肉眼で正視し洞察し獲得した実証的素材を赤裸々に記録している傾向がある...
寺田寅彦 「西鶴と科学」
...過去を懺悔し合い赤裸々になって...
豊島与志雄 「或る男の手記」
...吾々はも一度太古の赤裸々に返らなければならない...
豊島与志雄 「偶像に就ての雑感」
...人は生活を赤裸々にして羽毛蒲団(はねぶとん)の暖さと敷布(しきふ)の真白(ましろ)きが中に疲れたる肉を活気付けまた安息させねばならぬ...
永井荷風 「夏の町」
...それを精練してゐて己が赤裸々に生きないのが欧羅巴なるに反し...
中原中也 「詩に関する話」
...階級のいかんにかかわらず赤裸々(せきらら)の人間を赤裸々に結びつけて...
夏目漱石 「道楽と職業」
...冬の日は短い空を赤裸々に横切っておとなしく西へ落ちた...
夏目漱石 「門」
...どんな現実をもっているかということを赤裸々に告げた...
宮本百合子 「偽りのない文化を」
...私と対座して赤裸々に意志を発表すれば...
森鴎外 「二人の友」
...もしわたしも、今なお自然の最初の規則のもとに自由で楽しい生活を送っているといわれるあの民族の中にいるのであったら、もっと積極的に、余すところなく、赤裸々に、自分を描き出してお目にかけたであろうと思います...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...何でも赤裸々に仰言(おっしゃ)って下さいませ……...
夢野久作 「東京人の堕落時代」
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