...今余が辛抱(しんぼう)して向き合うべく余儀なくされている鏡はたしかに最前から余を侮辱している...
夏目漱石 「草枕」
...最前から話に気を取られ乍(なが)らも黙つて碁盤に向つて居た草香宮川の両君も之を見た...
平出修 「二黒の巳」
...しきりに最前から一戦挑みかけたい闘争意識が火のように全身に疼いてきてならないのだった...
正岡容 「小説 圓朝」
...最前からのすっかりウンザリしてしまっていたこの御隠居への考え方をいくらか今松は...
正岡容 「寄席」
...最前から青眼先生の家へは...
夢野久作 「白髪小僧」
...この女は最前からかなりの嘘言(うそ)を吐いている...
夢野久作 「暗黒公使」
...最前から持っていたような一種の投(なげ)やりな気持ちや...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...若林博士は最前からそうして来た通りに...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...最前から赤煉瓦塀の横で畠を打っております...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...ただ最前から解放治療場の附近を舞いまわっているらしい...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...最前から傍(かたわら)で見ていた月姫はニッコリしながら...
夢野久作 「奇妙な遠眼鏡」
...最前からの話をして...
夢野久作 「若返り薬」
...「最前から今もなお...
吉川英治 「上杉謙信」
...劉備は最前から、少し離れた所に立っていた...
吉川英治 「三国志」
...最前から額(ひたい)をすりつけてしまったまま...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...――胴の間(ま)の彼方で、小袖幕を囲って、最前から、「うんすん骨牌(かるた)」という博戯(あそび)に千金を賭けて、夢中になっていた阿波、堺(さかい)、大坂あたりの商人(あきんど)たちが、「札(ふだ)が足らない」「どこへ飛んだのじゃ?」「そっちを見ろ」「いや、こっちにもない」敷物を払って騒いでいたが、そのうちの一人が、ふと、大空を仰いで、「やっ、小猿めが! あんなところへ!」高い帆柱の上を指さして、頓狂なさけびをあげた...
吉川英治 「宮本武蔵」
...――しかし最前からの事々...
吉川英治 「宮本武蔵」
...似ています!」「最前から四半刻(しはんとき)も...
吉川英治 「牢獄の花嫁」
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