...私の生涯中に曽て無いことであつた...
石川三四郎 「馬鈴薯からトマト迄」
...此の日突然東京の街頭に曽て仏蘭西で見馴れたような浅葱の労働服(ブルーズ)をつけた職工の行列を目にして...
永井荷風 「花火」
...それは曽て金沢町の近江屋の番頭で...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...何だか曽てもこんなことがあったやうな錯覚を起したり...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...(即ち曽ての新劇人達の中で...
三好十郎 「俳優への手紙」
...勘次は彼の微笑から曽て覚えた嘲弄を感じると...
横光利一 「南北」
...どれほど多くの影響を与へてゐたかと云ふことを考へたことはまだ彼には曽てなかつた...
横光利一 「マルクスの審判」
...一行の加藤梅原二氏は曽て一度登られたのである...
與謝野寛・與謝野晶子 「満蒙遊記」
...夫人は曽て教育家として英語を旅順の女学校で教へられて居たが...
與謝野寛・與謝野晶子 「満蒙遊記」
...氏は曽て此地にも在勤されたので旧知が多いのである...
與謝野寛・與謝野晶子 「満蒙遊記」
...ヨーロッパ人の曽て踏み入らなかった海域へ入った...
和辻哲郎 「鎖国」
...がその途中を曽ての部下センテノに阻まれた...
和辻哲郎 「鎖国」
...曽て惟政の味方であった摂津池田の城主の家臣たちであった...
和辻哲郎 「鎖国」
...この青年が曽てキリシタンとなる意志を示したと伝え聞いたオルガンチノは...
和辻哲郎 「鎖国」
...この日の法華宗徒の敗北が曽てない甚だしいものであったことをオルガンチノに向って証言したのである...
和辻哲郎 「鎖国」
...彼は曽てその領地の大部分を取り上げられ...
和辻哲郎 「鎖国」
...宗麟とジュリア夫人の許に曽てのキリシタン迫害を詫びて来た...
和辻哲郎 「鎖国」
...しかし曽て強制したことはない...
和辻哲郎 「鎖国」
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