...(尤もよくある書割(かきわり)さ!)じめじめと川もびっしより濡れるほどしとしとと...
上田敏 上田敏訳 「牧羊神」
...(尤もよくある書割だが)じめ/\と川もびつしより濡れるほど...
辰野隆 「雨の日」
...つい其処の歌舞伎座の書割(かきわり)にある様な紅味(あかみ)を帯びた十一日の月が電線(でんせん)にぶら下って居る...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...今日(こんにち)吾人が劇場にて弁慶(べんけい)上使(じょうし)の場(ば)または妹脊山(いもせやま)館(やかた)の場(ば)の書割(かきわり)を見るに似たり...
永井荷風 「江戸芸術論」
...黒衣(くろご)の男が右手の隅(すみ)に立てた書割(かきわり)の一部を引取(ひきと)ると裃(かみしも)を着た浄瑠璃語(じやうるりかたり)三人...
永井荷風 「すみだ川」
...それらの錦絵も芝居の書割(かきわり)も決して完全にこの珍らしい貴重なる東洋固有の風景を写しているとは思えない...
永井荷風 「霊廟」
...この活劇の書割(かきわり)を一層濃いものにしたから...
中里介山 「大菩薩峠」
...岩は千断(ちぎ)れ書割(かきわり)は裂ける...
中里介山 「大菩薩峠」
...芝居の書割(かきわり)の様に平(ひら)たく見えた...
夏目漱石 「それから」
...四方の遠景の書割など...
藤野古白 藤井英男訳 「人柱築島由来」
...画はみんな書割り...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...古風な芝居の書割のやうに屋根がくろずんで見え...
牧野信一 「茜蜻蛉」
...芝居の書割を思はせるやうな寒い静かな往来だつた...
牧野信一 「白明」
...ざんぎり物の書割のように灯が入っていました...
正岡容 「随筆 寄席風俗」
...わたくしは二番目狂言の舞台で見馴れた書割(かきわり)...
正岡容 「吉原百人斬」
...舞台はすべて芝居がかりで粗末ながら大道具は金襖や夜桜などの書割...
山本笑月 「明治世相百話」
...四方の書割(かきはり)には富士山や日本の田舎(ゐなか)を現し...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
...ちょうど殺し場の書割(かきわ)りにでもありそうな所...
吉川英治 「江戸三国志」
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