...我々が舞台で俳優が堂々たる城の壁〔書割〕によりかかって...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...丁度芝居の書割(かきわ)りの様に眺められた...
江戸川乱歩 「一寸法師」
...(尤もよくある書割だが)じめ/\と川もびつしより濡れるほど...
辰野隆 「雨の日」
...三十五お庄は芝居の書割りのなかに誘(おび)き入れられたような心持で...
徳田秋声 「足迹」
...動物らの喚び出した燦々とした書割(デコール)の中に溶け込んでゐた...
富永太郎 「鳥獣剥製所」
...後(うしろ)を限(かぎ)る書割(かきわり)には小(ちひさ)く大名屋敷(だいみやうやしき)の練塀(ねりべい)を描(ゑが)き...
永井荷風 「すみだ川」
...黒衣(くろご)の男が右手の隅(すみ)に立てた書割(かきわり)の一部を引取(ひきと)ると裃(かみしも)を着た浄瑠璃語(じやうるりかたり)三人...
永井荷風 「すみだ川」
...真黒(まつくろ)に塗(ぬ)りたてた空の書割(かきわり)の中央(まんなか)を大きく穿抜(くりぬ)いてある円(まる)い穴に灯(ひ)がついて...
永井荷風 「すみだ川」
...書割(かきわり)で見るんじゃねえ...
中里介山 「大菩薩峠」
...古い芝居の書割りを思わす...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...上下に松並木の書割...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...朦朧とした向うには淡路島の描かれた書割を置く...
藤野古白 藤井英男訳 「人柱築島由来」
...画はみんな書割り...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...古風な芝居の書割のやうに屋根がくろずんで見え...
牧野信一 「茜蜻蛉」
...「書割盗人」に於ては盗人に入られた家の主人公が盗人に対し...
正岡容 「初代桂春団治研究」
...日本の近代知性にはびこる色彩はこの部屋の竹の書割の粗末な金粉に似て浮き上って見えて来る...
横光利一 「欧洲紀行」
...殊(こと)に何時(いつ)も冷汗をかくのは大小の客間(サロン)の日本的装飾が内地の田舎(ゐなか)芝居の書割(かきわり)にも見る事の出来ない程乱雑と俗悪(ぞくわる)とを極めて居る事である...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
...ちょうど殺し場の書割(かきわ)りにでもありそうな所...
吉川英治 「江戸三国志」
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