...そのくせ大通にあつては両側に櫛比(しっぴ)せる商戸金色燦爛(さんらん)として遠目には頗る立派なれど近く視(み)れば皆芝居の書割然(かきわりぜん)たる建物にて誠に安ツぽきものに候...
内田魯庵 「二葉亭四迷の一生」
...丁度芝居の書割(かきわ)りの様に眺められた...
江戸川乱歩 「一寸法師」
...田舎芝居の書割(かきわり)を思い出させる「一力(いちりき)」や...
寺田寅彦 「帝展を見ざるの記」
...左右の家は書割舞台ででも出来ているかのように...
富ノ沢麟太郎 「あめんちあ」
...書割(かきわり)...
永井荷風 「江戸芸術論」
...黒衣(くろご)の男が右手の隅(すみ)に立てた書割(かきわり)の一部を引取(ひきと)ると裃(かみしも)を着た浄瑠璃語(じやうるりかたり)三人...
永井荷風 「すみだ川」
...まことの鋳掛屋を招いて書割の後から呼ばせたとか云う話を聞いたことがあった...
永井荷風 「巷の声」
...古い芝居の書割りを思わす...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...芝居の書割(かきわり)の様に平(ひら)たく見えた...
夏目漱石 「それから」
...まあ芝居見たようなものじゃありませんか」「ええ衣装(いしょう)と書割(かきわり)がないくらいなものですな」「失礼ながらうまく行きますか」「まあ第一回としては成功した方だと思います」「それでこの前やったとおっしゃる心中物というと」「その...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...上下に松並木の書割...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...朦朧とした向うには淡路島の描かれた書割を置く...
藤野古白 藤井英男訳 「人柱築島由来」
...室内の様子や左右の書割などについて昼夜の別の雰囲気を出すよう工夫すること...
藤野古白 藤井英男訳 「人柱築島由来」
...舞台書割は浜辺の様子を描いている...
藤野古白 藤井英男訳 「人柱築島由来」
...芝居の書割を思はせるやうな寒い静かな往来だつた...
牧野信一 「白明」
...殊(こと)に何時(いつ)も冷汗をかくのは大小の客間(サロン)の日本的装飾が内地の田舎(ゐなか)芝居の書割(かきわり)にも見る事の出来ない程乱雑と俗悪(ぞくわる)とを極めて居る事である...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
...富士山や田園の書割(かきわり)にかこまれて...
吉行エイスケ 「バルザックの寝巻姿」
...リュボーフィ・オニーシモヴナは『名曲集』の合唱をやり、『シナの菜園婦』を踊ることになっていたところ、そこへ突然、最後の本稽古の最中に、書割りが倒れて、ある女優が脚に打撲傷を負った...
レスコーフ Nikolai Semyonovich Leskov 神西清訳 「かもじの美術家」
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