...更に頬を撫でて昇つて行く柔かな煙を見ると...
石川啄木 「病院の窓」
...今更ら名のるのは好ましくなかつたから...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...尚更ひっこんでいなくてはならず...
田中英光 「オリンポスの果実」
...夜が更けて、腹が空つたので、夜食を食べる、ゼイタクだな、とも思うたことである...
種田山頭火 「其中日記」
...反ソヴェート的なものとして、シェストーフ的なものを取り上げたということには、一方当時のヨーロッパにおける国際的な関係に由来し今一方現下の日本における国内的な情勢に由来して、政治的に又文学的に、非常に必然なのだが、それが特にシェストーフの名によらねばならなかったという事情に就いて云えば夫は偶然なものに他ならず、更に又、この偶然的なものに最後の望みのようなものをかけることが出来ると考える一群の文学者のスペキュレーションのようなものになれば、客観的公正を欠いたという意味において主観的だということになる...
戸坂潤 「思想としての文学」
...幸内は更に動くことをしませんでした...
中里介山 「大菩薩峠」
...「強(し)いてお尋ねは致さぬが、夜更けのこと故、そこらあたりまでお送り申しましょう」「御親切に有難うございますが、屋敷には、ちと憚(はばか)ることがござりまする故、どうぞ、このままでお見逃し下さいませ」その時に、向うの屋敷道に小さく提灯(ちょうちん)の火影(ほかげ)が現われ、話をしながら二三の人が、こちらへ向いて歩いて来るようです...
中里介山 「大菩薩峠」
...できさえすれば退却も満更(まんざら)でない...
夏目漱石 「自転車日記」
...それを聽かされて今更逃げもならず...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...十七歳の十二月はじめに上総(かずさ)の木更津(きさらづ)の鳥飼(とりかい)というところの料理兼旅館の若主人の妻となった...
長谷川時雨 「松井須磨子」
...やってしまった事を今更何といって見たって仕様がない...
久生十蘭 「魔都」
...そのあとページ番号がすべて変更され...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「ギルレイ」
...だが今更そんなことを考へたつて始まらない...
牧野信一 「或る五月の朝の話」
...語を更(か)へて言はば...
正岡子規 「人々に答ふ」
...御息所(みやすどころ)――皇子女(おうじじょ)の生母になった更衣はこう呼ばれるのである――はちょっとした病気になって...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...羽後の栗沢楢岡より更に北に上る事数里...
柳宗悦 「現在の日本民窯」
...計画の数回の変更が...
柳田国男 「雪国の春」
...夜が更けてロダンさんは一匹の番犬を連れて...
吉行エイスケ 「バルザックの寝巻姿」
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