...のみならず更に幸福だつたことには――或はこれも不幸だつたことには彼もいざとなつて見ると...
芥川龍之介 「貝殼」
...――今更そんなモオラルなどを持ち出す必要はないかも知れない...
芥川龍之介 「野人生計事」
...喜兵衛は更に袋の新らしい工風(くふう)をした...
内田魯庵 「淡島椿岳」
...更に多数の銃や弾丸を手に入れた...
海野十三 「幽霊船の秘密」
...誰か園の梅の花ぞも久方の清き月夜にこゝだ散り来るほとゝぎす来啼きどよもす橘の花散る庭を見む人や誰天の川霧たちわたり彦星のかぢの音聞ゆ夜の更け行けば今朝啼きて行きし雁金寒みかもこの野のあさぢ色づきにけるあが宿の秋萩のへに置く露のいちじろしくもあれこひめやも率直なる感情を高朗なる調子でうたう万葉の詩人をなつかしく思う...
高浜虚子 「丸の内」
...研水(とみづ)を新しくして更に鋭い明日の小刀を瀏瀏(りゆうりゆう)と研ぐ...
高村光太郎 「智恵子抄」
...更に僕は女房に向って言った...
辰野九紫 「青バスの女」
...更に英語を学ぶべく彼女はある縁によって葛城の母の家に寄寓(きぐう)して青山女学院に通って居た...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...公は更に彼等よりも大なる首領たるを得可きに非ずや...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...猶更敏子さんは落付けなかった...
豊島与志雄 「好意」
...寒さは富士おろしの烈しく吹きあれる日よりもなお更身にしみ...
永井荷風 「雪の日」
...更に竊盜なども働いたらしく...
中島敦 「環礁」
...武士(もののふ)の矢並(やなみ)つくろふ小手の上に霰(あられ)たばしる那須の篠原(しのはら)という歌は万口(ばんこう)一斉(いっせい)に歎賞(たんしょう)するように聞き候えば今更(いまさら)取りいでていわでものことながらなお御気(おき)のつかれざることもやと存(ぞんじ)候まま一応申上(もうしあげ)候...
正岡子規 「歌よみに与ふる書」
...着更をするのであらう...
森鴎外 「魔睡」
...また更に私には疑問が続出し初めて来るのであった...
横光利一 「欧洲紀行」
...その夜の二更(こう)に...
吉川英治 「三国志」
...「栄花物語」「更級日記」「大和物語」「東鑑(吾妻鏡)」等々々...
吉川英治 「随筆 新平家」
...夜が更けてロダンさんは一匹の番犬を連れて...
吉行エイスケ 「バルザックの寝巻姿」
便利!手書き漢字入力検索