...脚の太い黒馬(あを)を曳き出して来て馬車に繋いでゐた...
石川啄木 「天鵞絨」
...かの傳奇の老大家は歴史の上に燦爛たる紫雲を曳き...
上田敏 上田敏訳 「海潮音」
...この美女たちがいずれも長い裳裾(もすそ)を曳き...
橘外男 「ウニデス潮流の彼方」
...更けて、跛を曳きつつ、犬に吠えられつつ、樹明泥酔して来庵、自転車々々々と繰り返す、生酔本性とはこれだらう、宥め賺して、やつと寝させる、……すぐ大鼾だ!夕暮、クロトリを聴く、ぢつと耳傾けてゐると、その声は切ない、しかし情愛の籠つた声だ...
種田山頭火 「其中日記」
...こんな丘へこんな馬車を曳き上げるなんてことが出来るものかと言っているようだった...
チャールズ・ディッケンズ 佐々木直次郎訳 「二都物語」
...離して遠くレームノス聖なる郷に曳き行きて...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...馬丁の曳き行く馬の背にまたがつて行つた事を忘れない...
永井荷風 「冬の夜がたり」
...その時三名人の放つた矢はそれぞれ夜空に青白い光芒を曳きつつ參宿と天狼星との間に消去つたと...
中島敦 「名人傳」
...従てその路面を踏み固め曳き固めかつ揺るがし...
牧野富太郎 「植物記」
...そのまま逢曳(あいび)き宿へしけ込んだのさ」「逢曳き宿なんて...
山本周五郎 「へちまの木」
...疲れ切つたエスキモー犬の曳きかたが弱いと...
ジャック・ロンドン Jack London 山本政喜訳 「荒野の呼び声」
...バックが千封度積んだ橇を曳きだすことが出来るかどうかわかりはしないのであつた...
ジャック・ロンドン Jack London 山本政喜訳 「荒野の呼び声」
...曳き舟が一艘流れに逆らつて上つて來た...
横光利一 「悲しみの代價」
...二人曳きの帰り俥を飛ばして...
吉川英治 「かんかん虫は唄う」
...曳きこまれて来たが...
吉川英治 「三国志」
...二人の縄付きが彼のまえに曳きすえられた...
吉川英治 「私本太平記」
...駒を曳き出させて...
吉川英治 「新書太閤記」
...大船三十艘を下流から曳きあげ...
吉川英治 「新書太閤記」
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