...へどをはきキャップを平ッぺに曳きこまれる...
大江鉄麿 「河の上の職場」
...路の真ん中に曳き捨てておいた自分の荷車のはうにそろそろ帰りかけようとして...
薄田泣菫 「黒猫」
...火鉢の曳き出しみたいなネギ入れからザクをつまんで鍋に入れたり...
高見順 「いやな感じ」
...私はまだ消えやらぬ ecstasy の尾を心に曳きながら...
谷崎潤一郎 「少年」
...いかに人民の意思を無視して再び戦争へと曳きずられつつあるかということの何よりの証明にほかならない...
峠三吉 「原爆詩集」
...大砲を撃つわたしはびらびらした外套をきて草むらの中から大砲を曳きだしてゐる...
萩原朔太郎 「定本青猫」
...むりやりひょろ松に揺りおこされて曳きずられて来られたものと見え...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...冷々とした水脈(みお)のようなものを曳きながら部屋から出て行った...
久生十蘭 「ノア」
...蒲団の下にまで泥棒が一人いるから曳きずり出してくれと強請(せが)んだりする...
ニコライ・ゴーゴリ 平井肇訳 「外套」
...あぶなく長靴と一緒に主人まで床の上へ曳きずりおとしそうにした...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...福知山の方から二人曳きの人力車で杉原谷(現加美町)を経て多可郡を横切り...
柳田国男 「故郷七十年」
...かれらはみんなそれぞれ得物を持っていたし、貝の罐詰工場のあるじである「大蝶」の旦那は、猟服に身を固め、猟犬を曳き、猟銃を肩に掛けていた...
山本周五郎 「青べか物語」
...私達は此の形態の變化を曳き摺つて此の家へ移つて來た...
横光利一 「妻」
...二人曳きの帰り俥を飛ばして...
吉川英治 「かんかん虫は唄う」
...珠数つなぎにして曳き出し...
吉川英治 「三国志」
...いつもただ手綱を持って曳き歩きながら...
吉川英治 「新書太閤記」
...エイサコロサと曳きゃるお声きくさえ四肢(よあし)がなゆるまして添うたら死のずよの(――老(おい)も若きもうたい囃(はや)しそろ...
吉川英治 「宮本武蔵」
...蟻のように労働している何百という石曳きも...
吉川英治 「宮本武蔵」
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