...そこには殉情的な要求から來た自己陶醉に似た曖昧な描寫がないではないけれども...
有島武郎 「水野仙子氏の作品について」
...彼は新しく非常に曖昧な言葉を著作に導入した...
ジェイムズ・サンヅ・エリオット James Sands Elliott 水上茂樹訳 「ギリシャおよびローマ医学の概観」
...この將來の幻が實に漠然とした曖昧なふらふらしたものだつたのだ...
ピョートル・アレクセーヴィチ・クロポトキン Pyotr Alkseevich Kropotkin 大杉栄訳 「革命の研究」
...陽に土木治水費中堤防修築費と称し陰に谷中村買収の意味を含まして曖昧なる土木費を議決したり...
田中正造 「非常歎願書」
...そんな曖昧な離縁話に他人が口を挾みようはないじゃないか」「そりゃあ困る」「困るのは仕方がなかろう」「仕方がなくってもとにかく君に逃げられちゃあ困る...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...持って廻った曖昧な言葉遣いをするのだった...
豊島与志雄 「化生のもの」
...」荘一清はなにか曖昧な微笑を浮べて答えました...
豊島与志雄 「白塔の歌」
...甚だ曖昧なそして簡単な話だったが...
豊島与志雄 「波多野邸」
...即ち格調の曖昧な...
萩原朔太郎 「青猫」
...予定は最後まで曖昧なものと見なすこと...
原口統三 「二十歳のエチュード」
...と曖昧な声を発し...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...ここで曇日のような曖昧な空をつくっているのだった...
久生十蘭 「地底獣国」
...岩井はうっとりと顔を上げて曖昧な返事...
久生十蘭 「魔都」
...暫時(ざんじ)のことならば拝借仰付(おおせつ)けられても宜(よ)かろうと云うような曖昧な答をしたから...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...「然しそれは私を不愉快にする甚(はなは)だ曖昧な名称だ...
三木清 「ゲーテに於ける自然と歴史」
...いいところ、よくないところ、はっきりしているところ、曖昧なところ...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...(b)はっきりしない曖昧な仕事や喧嘩になりそうな議論には...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...大規模で曖昧なアウトライン――土地の高低の変化乃至石材が散乱する軌跡のいずれか――を求めて砂と岩の荒地を走査したものだった...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「時間からの影」
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