...頗(すこぶ)る曖昧(あいまい)なる返答であるが...
押川春浪補 「本州横断 痛快徒歩旅行」
...曖昧さはうまく言えないところから来ていた...
高見順 「如何なる星の下に」
...曖昧(あいまい)な返事をしながらその前へ往った...
田中貢太郎 「港の妖婦」
...もはや公然の秘密になっている二人をいつまで曖昧(あいまい)な状態に置いては奉公人共(ども)の示しが付かずせめて一軒(けん)の家に同棲(どうせい)させるという方法を取ったので春琴自身もその程度ならあえて不服はなかったのであろう...
谷崎潤一郎 「春琴抄」
...明確なものと曖昧(あいまい)なものとが雑然と不調和に同居しているところに破綻(はたん)があり不快がある...
寺田寅彦 「映画雑感(1[#「1」はローマ数字、1-13-21])」
...この曖昧さ加減を最も明らかに吾人に示すのは綿糸の撚(よ)り糸である...
寺田寅彦 「方則について」
...曖昧に終っていますのは...
豊島与志雄 「三つの悲憤」
...曖昧千万なのはそれのみではない...
中里介山 「余は大衆作家にあらず」
...余は身体が惡いのかと聞いたら娘はいゝえと只一言曖昧にいつた...
長塚節 「旅の日記」
...何の事か分らず「へえ」と曖昧な返事をしておくより仕方なかった...
中谷宇吉郎 「先生を囲る話」
...払暁前のような曖昧なようすをしていた...
久生十蘭 「墓地展望亭」
...なんだか曖昧(あいまい)な微笑をした...
堀辰雄 「風立ちぬ」
...この曖昧(あいまい)な男の成敗を意味していた...
本庄陸男 「石狩川」
...予はかかる仏家の宿命通説のような曖昧な論よりは...
南方熊楠 「十二支考」
...おれが曖昧(あいまい)な事を言つては...
森鴎外 「魔睡」
...それとも二千からとんで何番地だったか曖昧模糊としていた...
山川方夫 「演技の果て」
...後日行ったこの研究が影響して――蘇った記憶と曖昧な印象とが...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「狂気の山脈にて」
...堯曰篇のと泰伯篇の一章とは誰の語かわからない曖昧なものである...
和辻哲郎 「孔子」
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