...疎(まばら)な蘆や蓮(はす)の向うに黒ぐろと光った曇天の水を...
芥川龍之介 「雑信一束」
...其(そんな)時は、恰度(ちやうど)、空を行く雲が、明るい頭腦(あたま)の中へサッと暗い影を落した樣で、目の前の人の顏も、原稿紙も、何となしに煤(くす)んで、曇つて見える...
石川啄木 「菊池君」
...色に曇るを見る可し...
上田敏 上田敏訳 「海潮音」
...鋳造を同郷の人山本安曇氏に依頼する時...
相馬愛蔵、相馬黒光 「一商人として」
...曇りの無い鏡の面には惜し氣も無く顏を蔽うて垂れた房々した黒髪が映つてゐる...
高濱虚子 「俳諧師」
...十二月二日曇、何をするでもなしに、次郎居滞在...
種田山頭火 「行乞記」
...四月十六日薄曇、市街行乞、宿は同前...
種田山頭火 「行乞記」
...九月十五日曇...
種田山頭火 「其中日記」
...二月一日晴、曇、雪...
種田山頭火 「其中日記」
...……八月十九日曇...
種田山頭火 「其中日記」
...この矛盾! それを克服することが私にあつては生死の問題だ!八月廿一日曇...
種田山頭火 「其中日記」
...・今日の買物十銭 塩混(マヽ)布四十匁二十銭 ハガキ一(マヽ)枚四銭 豆腐一丁二十四銭 酒二合五十銭 外郎一包(贈物として)二十四銭 餅二百匁二十銭 番茶四半斤十五銭 若布二十匁十銭 醤油二合三銭 酢一合三月十二日曇...
種田山頭火 「其中日記」
...うまかつたな!三月十九日晴――曇...
種田山頭火 「松山日記」
...今日は曇天で暑さも薄く道も悪くないのでなかなか公園も賑(にぎ)おうている...
寺田寅彦 「根岸庵を訪う記」
...曇(くも)つたのかと思つて...
夏目漱石 「それから」
...その曇りの影で眼のなかが重くなった...
フィオナ・マクラウド Fiona Macleod 松村みね子訳 「琴」
...曇った午後で、四時まえだというのにあたりは暗く、弱い北風が肌へしみとおるほど寒かった...
山本周五郎 「赤ひげ診療譚」
...外交官の松岡は頑丈な顔を曇らせると眼を伏せてしまった...
吉行エイスケ 「バルザックの寝巻姿」
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