...水かひばほらあなめきし落窪(おちくぼ)の、夢も曇るか、こもり沼(ぬ)は、腹しめすまで浸(ひた)りたるまだら牡牛の水かひ場(ば)...
上田敏 上田敏訳 「海潮音」
...椀(わん)ほどの竹生島(ちくぶしま)見え秋日和(あきびより)茸山(たけやま)の少し曇れば物淋(ものさび)し十月十五日 つるばみ会主催...
高浜虚子 「五百五十句」
...――・うぐひすうぐひす和尚さん掃いてござる・なんとよい日の苗代をつくること・山はしづかなてふてふがまひるのかげして・山かげふつとはためくは鯉幟・岩に口づける水のうまさは・若葉したゝる水音みつけた四月二十六日曇...
種田山頭火 「其中日記」
...九月廿三日曇、秋冷、野分らしく吹く...
種田山頭火 「其中日記」
...三月十四日曇...
種田山頭火 「其中日記」
...明日は晴か曇か、それとも雨か...
種田山頭火 「其中日記」
...……七月廿七日降つたり、曇つたり...
種田山頭火 「其中日記」
...五月十六日曇、夜は雨...
種田山頭火 「旅日記」
...神湊海岸砂にあしあとのどこまでつづく晴れるほどに曇るほどに波のたはむれゆく春の夜のどこかで時計鳴る遠く来てひでり雲ちぎれちぎれ六月一日曇...
種田山頭火 「松山日記」
...曇り日の午後の倦さに...
豊島与志雄 「丘の上」
...曇りて夜雨ふる...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...大空が曇ったように始終(しじゅう)薄暗かった...
夏目漱石 「硝子戸の中」
...蒼ざめた馬冬の曇天の 凍りついた天氣の下でそんなに憂鬱な自然の中でだまつて道ばたの草を食つてるみじめな しよんぼりした 宿命の 因果の 蒼ざめた馬の影ですわたしは影の方へうごいて行き馬の影はわたしを眺めてゐるやうす...
萩原朔太郎 「青猫」
...空はどんより曇つて...
北條民雄 「青年」
...ワシリの顔は曇つて...
コロレンコ Vladimir Galaktionovick Korolenko 森林太郎訳 「樺太脱獄記」
...空はいつか曇って...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...その方向の曇った空を振り返った...
夢野久作 「縊死体」
...九兵衛はすこし声を曇らせて...
吉川英治 「江戸三国志」
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