...――や、とかうするうちに、もう日暮ぢや...
芥川龍之介 「往生絵巻」
...ゆく春の書に対すれば古人あり風吹いて暮春の蝶のあわたゞし五月四日 句謡会...
高浜虚子 「五百五十句」
...五年十年の暮しにまさることがある...
太宰治 「道化の華」
...・まづたのむ柿の実のたわわなる暮れて戻つて秋風に火をおこす今夜もよい月である...
種田山頭火 「行乞記」
...暮れ方の鏡子居へとびこむ...
種田山頭火 「道中記」
...あたかも静寂な暮れ方の空をいろどる夕ばえのごとき明るくはなやかなさびしさをもって全巻のカデンツァをかなでることになっているのである...
寺田寅彦 「連句雑俎」
...夕暮の空に流るる悩ましい雲を見ていた...
豊島与志雄 「囚われ」
...明けの六(む)つから暮の六つまで...
中里介山 「大菩薩峠」
...下町中の質屋という質屋、古物屋(こぶつや)という古物屋は、子分の者を飛ばして詮索しましたが、暮からこっち、嫁入道具などを持ち込んだ者は一人もありません...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...暮の二十五日じゃ間にあわねえはずだ」「へーエ?」独り言ともなく...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...小體乍ら裕福に暮してゐたらしく...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...和吉とお紋は贅澤に暮して居るくせに...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...年の暮近し世間は何と無(なく)ざわめきて今日はいぬの日...
長谷川時雨 「うづみ火」
...これからの永世(ながらく)を光(ひか)りも無(な)い中(うち)に暮(くら)すのかしら...
樋口一葉 「この子」
...――どうも田舎も好いが夕暮時は寂しくつて仕様がない! 厭に蒸暑いなア...
牧野信一 「雪景色」
...さうして新生涯(しんしやうがい)を夢(ゆめ)みながら彼(かれ)からのたよりを待(ま)ち暮(くら)した...
水野仙子 「悔」
...一昨日は重治さんのところで午後を暮しました...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...清少納言や何かひとりで暮していたことを書いて...
宮本百合子 「獄中への手紙」
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