...智惠子は稍暫しその物憐れな室の中を見てゐたが...
石川啄木 「鳥影」
...暫し默して居たが...
石川啄木 「漂泊」
...二人は暫し其所に立つてゐた...
石川啄木 「天鵞絨」
...不圖(ふと)首を擧げて暫し四邊(あたり)を眺めしが...
高山樗牛 「瀧口入道」
...先づ暫しの時を割いて(first a little time was set apart)王に上訴を爲さんとするものに當てられた(for any who wished to appeal to the King for justice)...
テニソン Tennyson 菅野徳助、奈倉次郎訳 「アーサー王物語」
...その沿岸を、船は暫し巡航し、上陸点を決定するや、まっしぐらに突き進む...
豊島与志雄 「風景」
...そしてまた、陣屋へ戻って来ると、暫しあって、かの物置で号泣の声が聞えます...
中里介山 「大菩薩峠」
...暫し箸を休めて外を見やると...
中里介山 「大菩薩峠」
...男の子が一人あると聞いた瞬間はドクドクと物凄い速力で暫しの間鳴って居りました...
西尾正 「陳情書」
...何とぞ暫しの苦悶を忍びて...
福田英子 「妾の半生涯」
...暫しおのれの容装に見入つてゐた...
牧野信一 「茜蜻蛉」
...やゝ暫し二つで何事か相談して居たが...
正岡子規 「蝶」
......
松本たかし 「松本たかし句集」
...その心の手綱を暫し切り放したのであつた...
水野仙子 「醉ひたる商人」
...ピンカートンの水陸旅行全集七卷六二三頁)ベーリング・グールドの「奇態な遺風」に蒙昧の人間が數本の抗に皮を張つた小屋をそここゝ持ち歩いて暫し假住居した時代は建築に深く注意をせなんだが世が進んで礎をすえ土臺を築くとなれば...
南方熊楠 「人柱の話」
...」と何度もいう下ノ者に、いま暫(しば)し、いま暫しといい、生絹は昔懐かしい町々を簾のあいから眺めた...
室生犀星 「荻吹く歌」
...暫しありて我にかへりしときは...
森鴎外 「うたかたの記」
...そこに暫しの定着を與へるのである...
吉江喬松 「山岳美觀」
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