...たとひ氏は暗澹たる文壇の空に...
芥川龍之介 「あの頃の自分の事」
...暗澹たる力があつて...
芥川龍之介 「寒山拾得」
...私は暗澹たる顔をしながら...
芥川龍之介 「長江游記」
...くすんだやうな永遠の色ともいふべき暗澹たる茜(あかね)が...
飯田蛇笏 「薄暮の貌」
...暗澹たる空中に、母艦をとびだした艦載機の爆音が遠ざかって行った...
海野十三 「浮かぶ飛行島」
...彼を取巻いている暗澹たる危難や...
スティーブンソン Stevenson Robert Louis 佐々木直次郎訳 「宝島」
...なにやら不穏な不安な暗澹たるものがその広間中一杯に漲つて写つてゐた...
高田保 「貸家を探す話」
...前途暗澹たるうちにも...
太宰治 「津軽」
...殆んど暗澹たる小室に蟄居(ちっきょ)し...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...まるで暗澹たるもので...
中谷宇吉郎 「科学は役に立つか」
...まことに暗澹たるものがあることだけは確かである...
中谷宇吉郎 「亡び行く国土」
...詩集を出版したものの私の文学についての目標は依然として暗澹たるものでした...
林芙美子 「文学的自叙伝」
...漂流者のように暗澹たる気持になり...
久生十蘭 「海豹島」
...外はもう燈火管制でまっくら、暗澹たる東京...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...それが緒口になつて暗澹たる広漠の世界が思はれたり...
牧野信一 「秋・二日の話」
...一時にあたりを暗澹たるものとしました...
吉川英治 「江戸三国志」
...――それにひき代えて暗澹たる不安に襲われて...
吉川英治 「剣難女難」
...暗澹たる危惧(きぐ)の底に沈んで...
吉川英治 「三国志」
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