...従つて小説家は彼自身暗澹たる人生に対することも常人より屡々ならざるべからず...
芥川龍之介 「小説作法十則」
...私は暗澹たる顔をしながら...
芥川龍之介 「長江游記」
...なにやら不穏な不安な暗澹たるものがその広間中一杯に漲つて写つてゐた...
高田保 「貸家を探す話」
...あの暗澹たる結末に筆が及んだら...
三上於菟吉訳 大久保ゆう改訳 「踊る人形」
...心が暗澹たる影に包み込まれる...
豊島与志雄 「反抗」
...悪魔的な暗澹たる気持に浸ってる時や...
豊島与志雄 「父母に対する私情」
...一ツは暗澹たる行燈(あんどう)の火影(ほかげ)を見るの思ひあり...
永井荷風 「浮世絵の鑑賞」
...今目前(もくぜん)の腰掛にいぎたなく寢そべつて居る國民の顏をば暗澹たる車中の燈火に照して眺めながら...
永井荷風 「新歸朝者日記」
...そうすると二階の下の暗澹たるところから...
中里介山 「大菩薩峠」
...朝から曇つたままに暮れ落ちた暗澹たる夜空の下に...
南部修太郎 「ハルピンの一夜」
...詩集を出版したものの私の文学についての目標は依然として暗澹たるものでした...
林芙美子 「文学的自叙伝」
...食糧の遅配がはじまりどうなることやら暗澹たるものです...
原民喜 「書簡」
...暗澹たる黒い空のなかでそれが...
久生十蘭 「墓地展望亭」
...昨日は息づまるやうな暗澹たる作品(「玄鶴山房」)を書いた人間が...
堀辰雄 「芥川龍之介論」
...凡そ暗澹たる周囲にかこまれてゐながら...
牧野信一 「南風譜」
...益々暗澹たる生活をさせられる我身を...
宮本百合子 「栄蔵の死」
...最も恐ろしい最も暗澹たる混乱であった...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...暗澹たる前途を思わせたが...
吉川英治 「新書太閤記」
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