...彼女は最近、暗愁に包まれているようだ...
...昨夜、彼は暗愁に泣き崩れた...
...彼は暗愁から解放される方法を模索している...
...暗愁を抱える友人に優しく接することが大切だ...
...彼女は明るい性格だが、たまに暗愁に陥ることがある...
...言うべからざる暗愁を醸し生じたり...
饗庭篁村 「良夜」
...先ほどのおっかぶさるような暗愁は...
有島武郎 「或る女」
...言い解きがたい暗愁――それは若い人が恋人を思う時に...
有島武郎 「生まれいずる悩み」
...そのために自分に女のないのが餘計に暗愁を増すやうな事もあつたけれど...
鈴木三重吉 「赤い鳥」
...十月二十五日発奉天赴(ほうてんにおもむく)長春汽車中作万里平原南満洲(ばんりのへいげんみなみまんしゅう)風光潤遠一天秋(ふうこうじゅんえんいってんのあき)当年戦跡留余憤(とうねんのせんせきよふんをとどむ)更使行人牽暗愁(こうしこうじんあんしゅうをひく)「日露の親和がこの汽車中にはじまり...
谷譲次 「踊る地平線」
...身心沈静、暗愁を感じる...
種田山頭火 「其中日記」
...名状の出来ぬ暗愁が胸にこみあげて来て...
寺田寅彦 「障子の落書」
...其小さい心に一点の暗愁立ち去らぬ霧の如く淀んで居るのは...
徳冨蘆花 「漁師の娘」
...その樹下を過る度にわたしは何とも知れぬ暗愁を禁じ得ないのである...
永井荷風 「十年振」
...鏡のようにすみわたった大空にはいつあらわれたのか丘のような白雲がのろのろとながれ、左岸にそびえる騏麟(きりん)の首みたいなE塔の尖端や、河中にもうろうとうかぶN寺院の壮厳なすがたや、点々とちらばる対岸の灯、前後に架せられたあまたある橋のあかりが、青黒い、暗愁の、ものうげにゆれている河面にゆめのような華彩の影をおとし、いまやS河は、奇っ怪千万な深夜の溜息をはいているのだ...
西尾正 「放浪作家の冒険」
...何といふこともない生活の暗愁や...
萩原朔太郎 「宿命」
...何といふこともない暗愁の浪...
萩原朔太郎 「宿命」
...あれからずつとおれらは逃走してやつて來たのだあの遠い極光地方で 寒ざらしの空の下をみんなは栗鼠のやうに這ひつたいつもおれたちの行くところでは暗愁の...
萩原朔太郎 「蝶を夢む」
...なんたる絶望の光景だらう!わたしは魚のやうにつめたくなつて目からさうめんの涙をたらし情慾のみたされない いつでも陰氣な悶えをかんずるああこの噛みついてくる蠍(さそり)のやうにどこをまたどこへと暗愁はのたくり行くか...
萩原朔太郎 「定本青猫」
...ああ この暗愁も久しいかな!我れまさに年老いて家郷なく妻子離散して孤獨なりいかんぞまた漂泊の悔を知らむ...
萩原朔太郎 「氷島」
...暗愁は逃ぐる騎手を追いて...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...皆その板縁の外にうずくまるなり暗愁な涙をのんでひれ伏しました...
吉川英治 「江戸三国志」
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