...殊に、手水所(ちょうずどころ)のような、うす暗い所では、こう云う間違いも、起りやすい...
芥川龍之介 「忠義」
...由来暗い所で隠密(こつそり)やるべきものなんだからね...
石川啄木 「漂泊」
...成るべく狭い薄暗い所に許り居ようとする...
石川啄木 「漂泊」
...部屋の隅の薄暗い所に二つ折の屏風を立てて...
江戸川乱歩 「孤島の鬼」
...少しでも後暗い所があれば...
江戸川乱歩 「心理試験」
...その路傍の暗い所に薄暗い灯をともした支那そばの店がある...
高浜虚子 「丸の内」
...ひとところ燈火の点いてない暗い所があった...
田中貢太郎 「富貴発跡司志」
...あの屋根の上の暗い所にうずくまって長い間考えていたのであろうが...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のおんな」
...柱の影の暗い所だった...
豊島与志雄 「微笑」
...暗い所へ引入れられるような心地がした...
豊島与志雄 「幻の彼方」
...もう暗い所へはいってる...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...暗い所ノ沢の景物と...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...暗い所の練習も必要だというので...
中谷宇吉郎 「英国の物理学界と物理学者」
...暗い所では生物線が出ないのかもしれないし...
中谷宇吉郎 「千里眼その他」
...辰男は後退りして薄暗い所に突立つてゐた...
正宗白鳥 「入江のほとり」
...空一面が爆音で鳴りはためきキャーンと――迫る小型機の機銃の弾が砂煙をあげる広場の果ての防空壕へ途中で二度ばかり倒れた私をあの人は抱えるようにしてかばいながら斜めになって走って行き防空壕の中に飛びこむと同時にドドドドと至近弾の音とも振動とも言えない落下二人は階段の下の暗い所に折りかさなってころげ落ちてそのまま死んだようになっていたどれ位の間...
三好十郎 「殺意(ストリップショウ)」
...暗い所で考えたように気味悪く思わない代りに...
シュニッツレル Arthur Schnitzler 森鴎外訳 「みれん」
...さっきから暗い所で...
吉川英治 「私本太平記」
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