...葉子は自分のして見せる蠱惑的(こわくてき)な姿態(しな)がいつでも暗々裡(あんあんり)に事務長のためにされているのを意識しないわけには行かなかった...
有島武郎 「或る女」
...倉地と岡との間には暗々裡(あんあんり)に愛子に対する心の争闘が行なわれたろう...
有島武郎 「或る女」
...しかしあれは日本の特務機関によって企てられた挑発事件らしいという噂(うわさ)は暗々裡に伝わっていた...
高見順 「いやな感じ」
...お互いに屑鉄屋のあのゲーゲーに悩まされたことが俺たちを暗々裡にすっかりもう親しくさせたかのような口調で...
高見順 「いやな感じ」
...暗々裡(あんあんり)にいたわり慰めてくれているものと取れたが...
谷崎潤一郎 「細雪」
...それは既にその内部の力の衰へたことを暗々裡に意味してゐる形になる...
田山録弥 「真剣の強味」
...隆吉はそれを暗々裡に感じて...
豊島与志雄 「反抗」
...暗々裡に私を警戒させるのだ...
豊島与志雄 「理想の女」
...暗々裡にかずをかさねているのではないか...
西尾正 「放浪作家の冒険」
...暗々裡(あんあんり)に妻をして自身の地位を固くせんが為め...
福沢諭吉 「女大学評論」
...暗々裡の物々しい争奪が演ぜられてゐたといふことであつた...
牧野信一 「バラルダ物語」
...かれの心の冒険と暗々裡(り)に合流して...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「ヴェニスに死す」
...やはり暗々裡(あんあんり)に古書の外国記事が...
柳田国男 「海上の道」
...それが暗々裡(あんあんり)に競技の興奮を忘れがたいものにしていたように思う...
柳田国男 「こども風土記」
...いつのまにか暗々裡(あんあんり)に入り込んでいた生活変化は...
柳田国男 「木綿以前の事」
...暗々裡(あんあんり)に渡世(とせい)の地を為(な)したらしい形跡もあるのである...
柳田国男 「木綿以前の事」
...吾輩との妥協を絶望と見て取って暗々裡(あんあんり)に事件を揉み消すと同時に...
夢野久作 「爆弾太平記」
...暗々裡(あんあんり)の戦闘は...
吉川英治 「黒田如水」
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