...人々は暗々裏にそれに脅かされている...
有島武郎 「生まれいずる悩み」
...いまや黒暗々(こくあんあん)たる闇(やみ)につつまれている...
海野十三 「少年探偵長」
...それが木戸番の云った証拠の紙札であることは、すぐに分ったが、気の弱いものは、黒暗々の中で、骸骨の手からそれを受取る勇気がなくて、逃げ出してしまうかも知れない...
江戸川乱歩 「悪魔の紋章」
...私はここでもまた宗因の名前だけを白く残しておいてそのほか一切のことはすっかり黒暗々のうちに葬っておきましょう...
高浜虚子 「俳句とはどんなものか」
...しかしあれは日本の特務機関によって企てられた挑発事件らしいという噂(うわさ)は暗々裡に伝わっていた...
高見順 「いやな感じ」
...あたりは鼻をつままれてもわからぬ暗々の闇一色とかわってしまったのです...
橘外男 「亡霊怪猫屋敷」
...黒暗々たる闇のなかへとそのすがたをけしてしまいました...
橘外男 「亡霊怪猫屋敷」
...ただ黒暗々たる無人の密林盆地のうちに天も地も沈々(ちんちん)と更けゆく中に...
橘外男 「令嬢エミーラの日記」
...暗々裡(あんあんり)にいたわり慰めてくれているものと取れたが...
谷崎潤一郎 「細雪」
...それが暗々裏に心理的な作用を(論理的ではない作用を)営んでいるのではないだろうか...
戸坂潤 「読書法」
...だがあなたが暗々裡にそうした氣持をいだいていた以上...
ドストエーフスキイ 神西清訳 「永遠の夫」
...暗々裡の衆人一致の合意で正当に一挙に廃止されるもののように...
ユゴー・ヴィクトル Hugo Victor 豊島与志雄訳 「死刑囚最後の日」
...暗々裏に行う闘(たたか)いに飽いていた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...文化的獨立をしようといふ考が暗々裡に動いて居つたので...
内藤湖南 「日本文化の獨立」
...二人はただ黒暗々(こくあんあん)の闇を歩いて行くだけです...
中里介山 「大菩薩峠」
...おそらく井伏の法螺鱒などには想像もつくまいヨルダン河の暗々たる...
牧野信一 「喧嘩咄」
...ネオンの御法度に忽ち全東京は青々園や埋木庵が探偵実話を発表してゐたころのやうな時ならぬ暗々世界を現出しだしたので...
正岡容 「旧東京と蝙蝠」
...大塔ノ宮を暗々(やみやみ)と虐殺しまいらせた者は...
吉川英治 「私本太平記」
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