...いまや黒暗々(こくあんあん)たる闇(やみ)につつまれている...
海野十三 「少年探偵長」
...それが木戸番の云った証拠の紙札であることは、すぐに分ったが、気の弱いものは、黒暗々の中で、骸骨の手からそれを受取る勇気がなくて、逃げ出してしまうかも知れない...
江戸川乱歩 「悪魔の紋章」
...黒暗々たる夜を衝(つ)いてこれらの明るい客間はなかの住人のそれと知らぬうちに駆けぬける...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...お互いに屑鉄屋のあのゲーゲーに悩まされたことが俺たちを暗々裡にすっかりもう親しくさせたかのような口調で...
高見順 「いやな感じ」
...暗々の闇のなかにフッとかききえてしまったことも...
橘外男 「亡霊怪猫屋敷」
...それが暗々裏に心理的な作用を(論理的ではない作用を)営んでいるのではないだろうか...
戸坂潤 「読書法」
...アリョーシャの心は暗々裡に葬られることをいさぎよしとしない...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...彼のうちで暗々裏に...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...私小説を暗々裡に支援した...
豊島与志雄 「文学に於ける構想力」
...文化的獨立をしようといふ考が暗々裡に動いて居つたので...
内藤湖南 「日本文化の獨立」
...二人はただ黒暗々(こくあんあん)の闇を歩いて行くだけです...
中里介山 「大菩薩峠」
...おそらく井伏の法螺鱒などには想像もつくまいヨルダン河の暗々たる...
牧野信一 「喧嘩咄」
...かれの心の冒険と暗々裡(り)に合流して...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「ヴェニスに死す」
...やはり暗々裡(あんあんり)に古書の外国記事が...
柳田国男 「海上の道」
...つまり暗々裡(あんあんり)のかたちにすぎず...
吉川英治 「私本太平記」
...彼が今日まで黒暗々裡に...
モウリス・ルブラン 新青年編輯局訳 「水晶の栓」
...糸を染めて掛けた光景を暗々裏に示唆しないでもないが...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
...彼をして暗々裏に俗人の世界の道徳原理を認めしめ...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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