...空も水もただ一面の黒暗々...
江戸川乱歩 「黒蜥蜴」
...黒暗々たる夜を衝(つ)いてこれらの明るい客間はなかの住人のそれと知らぬうちに駆けぬける...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...お互いに屑鉄屋のあのゲーゲーに悩まされたことが俺たちを暗々裡にすっかりもう親しくさせたかのような口調で...
高見順 「いやな感じ」
...そのくらいはまだよいとして弟子共が持って来る中元や歳暮(せいぼ)の付け届け等にまで干渉(かんしょう)し少しでも多いことを希望して暗々裡(あんあんり)にその意を諷(ふう)すること執拗(しつよう)を極めたある時盲人の弟子があり家貧しき故に月々の謝礼も滞(とどこお)りがちであったが中元に付け届けをすることが出来ず心ばかりに白仙羹(はくせんこう)をひと折買って来て情を佐助に訴え...
谷崎潤一郎 「春琴抄」
...暗々裏に行う闘(たたか)いに飽いていた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...富子が暗々裡にその解決を迫っているのが彼にはよく分っていた...
豊島与志雄 「囚われ」
...文化的獨立をしようといふ考が暗々裡に動いて居つたので...
内藤湖南 「日本文化の獨立」
...在野党に傾く者との区別が暗々裡にあったように思われた...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...晁氏ガ小雨暗々トシテ人寐ネズ...
永井荷風 「向嶋」
...暗々裡(あんあんり)に妻をして自身の地位を固くせんが為め...
福沢諭吉 「女大学評論」
...暗々の中に金の保護を仄めかした...
三島霜川 「自傳」
...また大雨遽(にはかに)来り海面暗々たり...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...それが暗々裡(あんあんり)に競技の興奮を忘れがたいものにしていたように思う...
柳田国男 「こども風土記」
...暗々裡(あんあんり)に渡世(とせい)の地を為(な)したらしい形跡もあるのである...
柳田国男 「木綿以前の事」
...時局を通じて暗々の裡(うち)に人心を威圧しているのもこの辺に端を発してるのではなかろうか...
夢野久作 「近世快人伝」
...吾輩との妥協を絶望と見て取って暗々裡(あんあんり)に事件を揉み消すと同時に...
夢野久作 「爆弾太平記」
...ただ暗々(あんあん)瞑々(めいめい)...
吉川英治 「三国志」
...暗々(あんあん)たる梢(こずえ)から梢を...
吉川英治 「神州天馬侠」
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