...伯爵後藤の馬車を駆りて先輩知友に暇乞いしに廻ったが...
内田魯庵 「四十年前」
...父上はそれではこの國に住んではならないと仰せられて追い拂いましたのでお暇乞いに參りました...
稗田の阿禮、太の安萬侶 武田祐吉訳 「古事記」
...去秋長崎表へ渡来の魯西亜(ロシア)船へ身を托すかまたは漁船を雇い渡海すべしと九州筋遊歴の積りにて修理(しゅり)方へ暇乞いに罷り越し候処...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...お暇乞い申し上げい」顔も上げ得ないで...
直木三十五 「南国太平記」
...お君は改めてお銀様にお暇乞いを申し出でました...
中里介山 「大菩薩峠」
...それでも快くお君の暇乞いを承知しました...
中里介山 「大菩薩峠」
...急に主膳にお暇乞いをして...
中里介山 「大菩薩峠」
...そこそこにお暇乞いをしてお雪は帰りますと...
中里介山 「大菩薩峠」
...あの溢(あふ)れ出ずる涙の川のせき止まる時がいつであるか、それも、わたくしにはわかりません――そこで、わたくしは、泣いているお銀様に、土蔵の下まで行って、黙ってお暇乞(いとまご)いをして出かけて参りましたが、無論、弁信さん、お大切(だいじ)に行っておいでなさいとも、おいでなさるなとも御挨拶はございませんでした――私も、また、どうぞ、この際、あの方に泣くだけ泣かして上げたいと思いまして――あの絶大な号泣を妨げるのはかえって、わたくしの出過ぎである、冒涜(ぼうとく)であるというように感じたものですから、お暇乞いの時も、わざと言葉には一言もそれを現わしませんで、心の中で快くお別れを告げて参りました...
中里介山 「大菩薩峠」
...自分のこしらえた地蔵菩薩にお暇乞いを申し上げ...
中里介山 「大菩薩峠」
...名号を称(とな)えるがよい」この僧が法然の膝下を辞して国へ下ろうとして暇乞いの時...
中里介山 「法然行伝」
...その時まで姉に暇乞いをしようと思って廊下に残って居た妹の雪子と隣室を借りている女優の篠井智恵子が...
野村胡堂 「踊る美人像」
...最後の暇乞いを申し上げるためでございます...
藤野古白 藤井英男訳 「人柱築島由来」
...最後の暇乞いでございます...
藤野古白 藤井英男訳 「人柱築島由来」
...源氏は東宮へもお暇乞いの御挨拶(あいさつ)をした...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...弥吉が暇乞いに出かけると...
室生犀星 「お小姓児太郎」
...マリイは暇乞いをして...
シュニッツレル Arthur Schnitzler 森鴎外訳 「みれん」
...朝だし、長居は迷惑と察しられて、源五右衛門は、すぐ、暇乞いをした...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
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