...去秋長崎表へ渡来の魯西亜(ロシア)船へ身を托すかまたは漁船を雇い渡海すべしと九州筋遊歴の積りにて修理(しゅり)方へ暇乞いに罷り越し候処...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...故郷へ送り返すことに致しましたから……」一通りの暇乞いの話を聞いた植田丹後守が...
中里介山 「大菩薩峠」
...自分は今お暇乞いをして立とうとしていることも忘れて...
中里介山 「大菩薩峠」
...急に主膳にお暇乞いをして...
中里介山 「大菩薩峠」
...あの溢(あふ)れ出ずる涙の川のせき止まる時がいつであるか、それも、わたくしにはわかりません――そこで、わたくしは、泣いているお銀様に、土蔵の下まで行って、黙ってお暇乞(いとまご)いをして出かけて参りましたが、無論、弁信さん、お大切(だいじ)に行っておいでなさいとも、おいでなさるなとも御挨拶はございませんでした――私も、また、どうぞ、この際、あの方に泣くだけ泣かして上げたいと思いまして――あの絶大な号泣を妨げるのはかえって、わたくしの出過ぎである、冒涜(ぼうとく)であるというように感じたものですから、お暇乞いの時も、わざと言葉には一言もそれを現わしませんで、心の中で快くお別れを告げて参りました...
中里介山 「大菩薩峠」
...三たび暇乞いの言葉を残して行こうとしますと...
中里介山 「大菩薩峠」
...お暇乞いをして行ってしまったものであることはハッキリとする...
中里介山 「大菩薩峠」
...この家をお暇乞いしようと心仕度をしています...
中里介山 「大菩薩峠」
...最後の暇乞いでございます...
藤野古白 藤井英男訳 「人柱築島由来」
...この思い出深い植物学教室にオ暇乞いをするのである...
牧野富太郎 「植物記」
...ほとんど暇乞いもしないで...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「道化者」
...いよいよ暇乞いをしているな...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...お暇乞いをしたり...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...彼のその子供たちに対する優しい父としての暇乞いでなくて何でありましょう...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...その帰る前日に某名士の処へお暇乞いに行った...
夢野久作 「恐ろしい東京」
...暇乞いにやって来た...
吉川英治 「三国志」
...お暇乞いに来たわけです」「それでは私が心苦しい...
吉川英治 「三国志」
...お暇乞いに、ここで芸づくしを御覧に入れよう」小屏風(こびょうぶ)を持ちだして、その蔭で、助右衛門と勘六が、隆達(りゅうたつ)の節(ふし)を真似て唄った...
吉川英治 「べんがら炬燵」
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