...私はあっと云う暇(ひま)もなく...
芥川龍之介 「疑惑」
...その暇にも権高(けんだか)な伯爵夫人の顔だちに...
芥川龍之介 「舞踏会」
...しかし僕の手紙はいつまでも暇をぬすんで少しずつ書いているのですから...
有島武郎 「或る女」
...毎日暇さへあれば行く裁縫の師匠のもとで...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...きょう休暇ですか」「そうだ...
海野十三 「空襲警報」
...おまえたちみんな暇をやる...
江戸川乱歩 「影男」
...「内村氏と漸く十日間地方に出役往来する暇に...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...ほどなく冬季休暇にはひり...
太宰治 「猿面冠者」
...いつになったら、わしの意見が、輿論となり、実行となるか? それを考えると、眠る暇も惜しい...
直木三十五 「南国太平記」
...いつ拝謁しても、書物を御覧になっているか、書物(かきもの)か、器物の調査か、寸暇も、手を、頭を、眼を休めない斉彬であったし――こうした、眼を閉じた斉彬、頬に、眉に、疲れを見せた斉彬は、考えられぬものであった...
直木三十五 「南国太平記」
...手落も罪もなくて暇になる腹いせに...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...小藩のお留守居だつたのが永の暇になつたとかで」「――」「ちよいと金があつて好い男で...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...最後の暇乞いを申し上げるためでございます...
藤野古白 藤井英男訳 「人柱築島由来」
...今夜暇なのよ...
北條民雄 「道化芝居」
...暇がなく苦しい中将は一つの身を幾つかに分けて使うことができぬかとさえ歎息(たんそく)していた...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...今では暇つぶしであり慰みである...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...尚同校は去る三月十九日以来春季休暇中の事とて...
夢野久作 「少女地獄」
...その地方の布教に、努力の効(かい)を見た親鸞は、暇があると、山をこえて、越後や越中の国々へもよく杖をひいた...
吉川英治 「親鸞」
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