...あの紫色な茄子の畝! 這ひ蔓(はびこ)つた葉に地面(つち)を隠した瓜畑! 水の様な暁の光に風も立たず...
石川啄木 「天鵞絨」
...正に白河夜船か或いは春眠(しゅんみん)暁(あかつき)を覚えずぐらいのところだろうと思っていったが...
海野十三 「獏鸚」
...二十一日払暁の間に...
橘外男 「棚田裁判長の怪死」
...それに当て篏まる人と云うものは寔(まこと)に暁天の星の如くであるから...
谷崎潤一郎 「客ぎらい」
...しと/\ふる雨の音、白みくる暁の色、――せんねんに句稿整理、――月が出て来て、句を作らせた!二月廿一日快晴、午後多少の曇...
種田山頭火 「松山日記」
...そういう人々はすべて――もし彼らが大胆にカトリックの教則から離れローマの権力から脱した暁には――自称カトリックの卑しい多衆からは...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...空は暁ほど赤くないのは...
中里介山 「大菩薩峠」
...暁臺先生の宿へ来られ...
新美南吉 「良寛物語 手毬と鉢の子」
...暁方(あけがた)前に脱(ぬ)け出したのだよ」「家の者とぐるになっていて...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...御成業の暁までを引受けさせて頂きたい...
長谷川時雨 「樋口一葉」
...「想像していたとおりの方だったわ」八重が、名残りおしそうに立って行くと、暁子は、サト子が坐るのも待たずに、「あたくし、暁子……どんなにお目にかかりたかったかしれないの」と、甘えるような口調で、言った...
久生十蘭 「あなたも私も」
...否、払暁の事である...
エドガア・アルラン・ポオ Edgar Allan Poe 森林太郎訳 「病院横町の殺人犯」
...暁闇のしずけさを破って...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...暁近くなつて、家来共がまどろんだ...
クスミン Mikhail Alekseevich Kuzmin 森林太郎訳 「フロルスと賊と」
...彼女の思想には黄昏(たそがれ)も暁もなくて...
山本周五郎 「留さんとその女」
...暁に近い静寂(しじま)を破って...
吉川英治 「江戸三国志」
...暁の曠野(こうや)には...
吉川英治 「新・水滸伝」
...墨のような暁闇(ぎょうあん)だった...
吉川英治 「宮本武蔵」
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