...まだ晴れ間も見えないばかりか...
芥川龍之介 「妖婆」
...蟹1雨の晴れ間を野路へ出てみた...
薄田泣菫 「艸木虫魚」
...帰りを雨に降られて本郷の村落のとっつきの百姓家にその晴れ間(ま)を待ったこともある...
田山花袋 「田舎教師」
...」そして、彼の一身を流し去る燃える闇(やみ)の大洋上に、風の合い間の凪(なぎ)が、晴れ間の光が、ヴァイオリンやヴィオラの和らいだ囁(ささや)きが、トランペットやホルンの栄光ある穏やかな音が、突然響いてきて、それとともに彼の病める魂からは、ヨハン・セバスチアン・バッハの聖歌のような確固たる歌が、大なる壁のごとくほとんど不動の勢いで、起こってくるのであった...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...かすむ霞の晴れ間より...
直木三十五 「南国太平記」
...霧の晴れ間を湖水がひたひたと侵略して行って...
中里介山 「大菩薩峠」
...晴れ間に姿を現はしてゐる間はまことに束の間で...
林芙美子 「摩周湖紀行」
...晴れ間のない雨とともに...
久生十蘭 「ノア」
...滋野が雪の晴れ間に強羅から下りてくれば...
久生十蘭 「雪間」
...撮影所で晴れ間を待つ...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...そのうちときどき晴れ間も見えるようになり...
堀辰雄 「菜穂子」
...そのうちときどき晴れ間も見えるようになり...
堀辰雄 「楡の家」
...朝霧の晴れ間も待たぬけしきにて花に心をとめぬとぞ見ると言う...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...夕霧の晴るるけしきもまだ見ぬにいぶせさ添ふる宵(よひ)の雨かなこの晴れ間をどんなに私は待ち遠しく思うことでしょう...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...故大納言の父母は涙の晴れ間もないほど悲しみにおぼれて暮らしているのであって...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...朝霧の晴れ間も待たれぬようにして大将は山荘への手紙に筆を取っていた...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...姫君がたの心には朝霧夕霧の晴れ間もなく歎(なげ)きが続いた...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...霧の晴れ間から覗(のぞ)きかけて...
ルナール Jules Renard 岸田国士訳 「博物誌」
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