...彼の文章は晦渋で、含蓄が多い...
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スワンテ・アウグスト・アーレニウス Svante August Arrhenius 寺田寅彦訳 「宇宙の始まり」
...殊更(ことさら)意味を晦渋(かいじゅう)にしたのかと思われるものがたくさんある...
谷崎潤一郎 「吉野葛」
...わざとむづかしくしたやうな晦渋な詩が盛に鼓吹された...
田山録弥 「明治文学の概観」
...頭脳が透明であるのに母国語で書いた文章が晦渋をきわめているという場合は...
寺田寅彦 「科学と文学」
...かの思索の凝滞と晦渋を貫いてであると思われる...
中井正一 「探偵小説の芸術性」
...台詞(せりふ)の音声は晦渋(かいじゅう)にして変化に乏しきこと宛(さながら)僧侶(そうりょ)の読経(どきょう)を聞くの思(おもい)ありき...
永井荷風 「江戸芸術論」
...その「表現の晦渋」という難関を突破しなければならない...
中島敦 「鏡花氏の文章」
...実際、氏の表現は奇峭であり、晦渋である...
中島敦 「鏡花氏の文章」
...神秘的な晦渋に偏せず...
野上豊一郎 「レンブラントの国」
...その作品を暗く晦渋(かいじゅう)にしたが...
野村胡堂 「楽聖物語」
...やや晦渋(かいじゅう)であるが...
野村胡堂 「楽聖物語」
...少し晦渋(かいじゅう)になり過ぎているが...
野村胡堂 「楽聖物語」
...彼等は強(し)いて詩語を晦渋(かいじゅう)し...
萩原朔太郎 「詩の原理」
...中に意味の取りにくい晦渋な難物の混じつてゐるのもその為である...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...光線が暗いという上心持の晦渋さをも幾分含む...
宮本百合子 「九州の東海岸」
...当時は晦渋なりとの評言を蒙つたものである...
芝不器男 「不器男句集」
...確かに『源氏』の文章の晦渋(かいじゅう)は...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
...自分はこの晦渋の原因の重大な一つを描写の視点の混乱に認め得ると思う...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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