...大晦日(おおみそか)の夜木村様葉より」葉子はそれを日本風(ふう)の状袋(じょうぶくろ)に収めて...
有島武郎 「或る女」
...夜となりたる大晦日(おほみそか)かな...
石川啄木 「悲しき玩具」
...二葉亭は『浮雲』以後全く韜晦(とうかい)してこの文壇の気運を白眼冷視し...
内田魯庵 「二葉亭四迷の一生」
...晦堂は静かに口を開いた...
薄田泣菫 「木犀の香」
...南太平洋に姿を晦ませる大いなる海洋の神秘として現在に立ち至っているものであった...
橘外男 「ウニデス潮流の彼方」
...直(す)ぐに晦日に差支(さしつか)えるのが分っていそうなもんじゃないか」「差支えたってどうにかなるわよ」「どうにかなるって...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...所在ヲ晦(くら)マシ...
谷崎潤一郎 「卍(まんじ)」
...そして翌日(あくるひ)の大晦日(おおみそか)には日の暮れるのをまちかねてまた清月に出かけた...
近松秋江 「うつり香」
...「こんな大晦日の夜なかに人を表へ追ん出すなんて...
徳田秋声 「仮装人物」
...嫂の高子がその家から姿を晦(くら)ました...
原民喜 「壊滅の序曲」
...わしは奴等の眼を晦まして手のかはりに枯枝をさしだしてやつたのぢや...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...どうもすこし詩よりも插繪の方が晦澁である...
堀辰雄 「詩集「窓」」
...こちらの本当の大晦日に書いたのでは...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...これは晦(かく)れたる蘭軒の裔(すゑ)が顕れたる山陽に対する当然の情であらう...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...正月晦(みそか)に洛東団栗辻(らくとうどんぐりつじ)から起って...
森鴎外 「渋江抽斎」
...十五日と晦日(みそか)に味噌汁が一杯...
山本周五郎 「へちまの木」
...ふたたび天地開闢(かいびゃく)前の晦冥(かいめい)がきたかと思われた...
吉川英治 「三国志」
...聖断(せいだん)を晦(くら)くしたてまつるべきではない――と...
吉川英治 「私本太平記」
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