...鹿兒島市附近に於て降灰の最も激甚なりしは一月十七日にして午前中晦冥咫尺を辨ぜず室内燈火を使用せり...
石川成章 「櫻島噴火の概況」
...韜晦(とうかい)して終(つい)に天涯の一覊客として興津(おきつ)の逆旅(げきりょ)に易簀(えきさく)したが...
内田魯庵 「美妙斎美妙」
...愛の本所載)三人の親子或年の大晦日の晩だ...
千家元麿 「自分は見た」
...大晦日も寒々と曇つてゐた...
武田麟太郎 「大凶の籤」
...いざと云う時に姿を晦(くら)ましてしまうとは...
谷崎潤一郎 「少将滋幹の母」
...晦日の勘定が延ばせないなんて法はないわよ...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...あとはもう天地晦冥...
豊島与志雄 「女心の強ければ」
...天地晦冥(かいめい)して雷電轟(とどろ)き風雨怒(いか)る...
中里介山 「大菩薩峠」
...少なくとも晦と朔旦との境界という問題をとりあげ...
中谷宇吉郎 「神仙道と科学」
...時には自分を鮮に韜晦させる面紗(ヴエエル)である...
南部修太郎 「現代作家に対する批判と要求」
...晦日(みそか)にでもなつたら...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...旅館寒燈独(ひと)り眠らず客心何事ぞ転(うた)た凄然(せいぜん)故郷今夜は千里の思ひ霜鬢(さうびん)明朝また一年さすがにこの除夜の詩はいつの大晦日に低吟してもぴつたりと胸に来るものがある...
宮地嘉六 「老残」
...こんどは十四日、晦日ではないし、せいぜい月に一度くらいであったが、それは夜の十時ごろに長屋の木戸で始まり、同じような順序で、戸口まで続くのである...
山本周五郎 「ちゃん」
...今も尚行方を晦(くら)ましている者らしい事は...
夢野久作 「暗黒公使」
...踪跡(そうせき)を晦(くら)ましているので御座います...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...行衛を晦(くら)ますであろう事を...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...日は出でても戦塵に晦(くら)かった...
吉川英治 「三国志」
...あれで必死に居所を晦(くら)ましているつもりだろうが...
吉川英治 「八寒道中」
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