...晦日(みそか)には神主がやって来て荒神(こうじん)様を拝んで家中御祓(おはらい)をして帰るとか...
高村光太郎 「回想録」
...祇園社に大晦日の宵から元朝寅の刻へかけて行ふ削掛の神事に...
竹久夢二 「砂がき」
...という言葉ほど自分にとって難解で晦渋(かいじゅう)で...
太宰治 「人間失格」
...○前記天下茶屋の梅見の宴の後約一箇月半を経た三月晦日(つごもり)の夜八つ半時頃すなわち午前三時々分に「佐助は春琴の苦吟(くぎん)する声に驚き眼覚めて次の間より馳(は)せ付(つ)け...
谷崎潤一郎 「春琴抄」
...―――この考は私の胸を晦(くら)く鎖(とざ)したばかりでなく...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...大晦日(おおみそか)にはちょうど昨日帰ったという加藤の家を音信(おとず)るることができた...
田山花袋 「田舎教師」
...自分ではさほど世間に晦(くら)いとも思っていなかったが...
永井荷風 「申訳」
...ここまで新聞に書いて来ると、大晦日になった...
夏目漱石 「満韓ところどころ」
...大晦日の朝ではあるが...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...今日は晦日だつたか!」岡と私が同時に...
牧野信一 「心象風景(続篇)」
...大晦日の晩に、その年の最後の頁を終ると、自分は覚えてゐる、母は、可成り仰山に感慨を含めた動作でパタリと日頃とは稍違ふ音をたてゝ閉ぢ、箪笥のやうな開きのついた黒い文庫の錠をあけて、厳かにこれを収めた...
牧野信一 「冬の風鈴」
...大晦日の夜には悪霊を追払ふと云ふ意味で...
三木清 「消息一通」
...あまりにも欺かれ過ぎ晦(くら)まされ過ぎる...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...――晦日(みそか)と十一日...
山本周五郎 「五瓣の椿」
...「俺は行衛(ゆくえ)を晦(くら)ます...
夢野久作 「冥土行進曲」
...その衆評はみな暗に兄君たるあなたの才徳を晦(くろ)うするものではありませんか」「でも...
吉川英治 「三国志」
...はやその年の大晦日(おおつごもり)であったのである...
吉川英治 「新書太閤記」
...その御方をめぐって天日を晦(くろ)うしている奸臣(かんしん)佞吏(ねいり)...
吉川英治 「新・水滸伝」
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