...上野戦争後諸藩引払ひの時余の一家は皆尾州へおもむきたれど...
内田魯庵 「二葉亭四迷の一生」
...当時余は思えらく基督教会なるものは地上の天国にしてその内に猜疑憎悪の少しも存することなく...
内村鑑三 「基督信徒のなぐさめ」
...ある時余が訪問して見ると居士は紙の碁盤の上に泥の碁石を並べていた...
高浜虚子 「子規居士と余」
...当時余ひそかに君の気象を喜ぶ...
田口卯吉 「将来の日本」
...その時余の顔に全く血のけがなくなったのを見て...
寺田寅彦 「どんぐり」
...併し当時余暇を有つことの出来た人間は凡て奴隷所有階級にぞくしていたという点を注意すべきで...
戸坂潤 「現代哲学講話」
...當時余は毎日新聞の一記者たりしを以て...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...江戸演劇は舞踊と合せてこれを貴族的なる能楽に対照し専(もっぱら)江戸平民美術として見る時余は多大の興味を感じて止(や)まざるなり...
永井荷風 「江戸芸術論」
...妻の説明を聞いた時余は死とはそれほどはかないものかと思った...
夏目漱石 「思い出す事など」
...のみならず彼がまた昔その女と別れる時余計な事を饒舌(しゃべ)っているんです...
夏目漱石 「行人」
...此時余は此文士は何の為に罪もない「土」の作家を侮辱するのだろうと思って苦々(にがにが)しい不愉快を感じた...
「『土』に就て」
...戦は午(ご)を過ぐる二た時余りに起って...
夏目漱石 「幻影の盾」
...その時余が作りたる楽曲...
堀辰雄 「鳥料理」
...其時余が作りたる樂曲...
堀辰雄 「鳥料理」
...当時余は頑固なる日本画崇拝者の一人にして...
正岡子規 「墨汁一滴」
...ある時余は鏡に写して背中の有様を窺(うかが)はんと思ひ妹にいふに妹頻(しき)りに止めて聴かず...
正岡子規 「明治卅三年十月十五日記事」
...私も当時余り饒舌(しやべ)らなかつたので...
森鴎外 「津下四郎左衛門」
...此時余を助けしは今我同行の一人なる相澤謙吉なり...
森鴎外 「舞姫」
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