...されど小児の時余の尤(もっと)もおそれたるは父と家に蔵する鍾馗(しょうき)の画像なりしとぞ...
内田魯庵 「二葉亭四迷の一生」
...上野戦争後諸藩引払ひの時余の一家は皆尾州へおもむきたれど...
内田魯庵 「二葉亭四迷の一生」
...余は墓に入る時余は一日の業を終えたりと言うといえども...
内村鑑三 「基督信徒のなぐさめ」
...その時余は、「君は天然が好きですか、人事が好きですか...
高浜虚子 「子規居士と余」
...君の親戚が当時余の僑居(きょうきょ)と同じく原宿(はらじゅく)にあったので...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...当時余は都新聞の一社員であった...
中里介山 「生前身後の事」
...眼を開けた時余は昨夕(ゆうべ)の騒ぎを(たとい忘れないまでも)ただ過去の夢のごとく遠くに眺めた...
夏目漱石 「思い出す事など」
...その時余は大概四十何人の席末を汚すのが例であったのに...
夏目漱石 「琴のそら音」
...ある時余は坪井学長に書面を奉(たてまつっ)て...
「入社の辞」
...その時余は長谷川君に向って...
夏目漱石 「長谷川君と余」
...其時余は始めて離別した第一の細君を後から懐(なつ)かしく思う如く...
夏目漱石 「余と万年筆」
...其時余が作りたる樂曲...
堀辰雄 「鳥料理」
...これに依つても、当時余が、いかに不熱心な母の弟子であつたか、といふことが察せられてならない...
牧野信一 「余話」
...幼時余は、母に、論語を学び、二宮尊徳の修身を聴講し、ナシヨナル・りいどる巻の一に依つて英語を手ほどかれ、和訳すゐんとん万国史を講義された...
牧野信一 「余話(秘められた箱)」
...アレハあすなろうノ葉ノ変化物ナラント云ヘリ当時余モ葉ノ変物ナルヤ全ク一種ノ寄生物ナルヤヲ確定スル能ハザリシガ其後再ビ箱根ニ赴タル時前述ノ木ト今少シ駅ニ近キ処ノ右側ノ小林中ニテ同物ヲ得タリ此度ハ其生ズル処ハ葉ノミニ限ラズ枝ニモ幹ニモ生ゼリ而シテ其全ク一種ノ寄生植物ニシテ年々新枝ヲ出ス頃ニハ前ニ栄ヘシ枝ハ枯レ行クモ全ク枯レ尽ルコトナキ多年生本ナルコトヲ見出セリ...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...到底題目塚の画面以外の味到はでき得可くもなかつた当時余りにも年少の私であつたことを今更のごとくに口惜しくおもつた...
正岡容 「異版 浅草燈籠」
...或時余は客観的に自己の死という事を観察した事があった...
正岡子規 「死後」
...此時余を助けしは今我同行の一人なる相沢謙吉なり...
森鴎外 「舞姫」
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