...昨春以来の脱肛が今朝入浴中ほつとりとおさまつた...
種田山頭火 「行乞記」
...・身のまはりは草だらけみんな咲いてゐる(ナ)・あれから一年生き伸びてゐる柿の芽(昨春回想)・水へ水のながれいる音あたゝかし・五月の風が刑務所の煉瓦塀に・ずんぶりひたるあふれるなかへ・わいて惜しげなくあふれてあつい湯四月十九日曇...
種田山頭火 「其中日記」
...これをわざ/\持つてきて植ゑてくれた黎坊に報告して喜ばせなければなるまい(一昨春)...
種田山頭火 「其中日記」
...妹は昨春丈夫な男兒をまうけました...
土井八枝 「隨筆 藪柑子」
...昨春(さくしゅん)当時(とうじ)の皇太子殿下今日の今上陛下(きんじょうへいか)が甲州御出の時...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...デカも昨春までは...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...露国の政略と雄図とは実に昨春〔明治十八年〕露国官吏の口より明快に公言せられたり...
徳富蘇峰 「将来の日本」
...しかしそれはもはや昨春の花ではなかった...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...私は昨春古老に尋ねたり...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...閑話休題――港家小亀は昨春の兵火にほとんど生死不明を伝へられてゐたが...
正岡容 「浅草燈籠」
...昨春、斜陽を浴びて私が参詣の際は寺内荒涼、香華を沽(う)る店とて見当らなかつたので墓畔水いろの小さな花を咲かせてゐた勿忘草の一と束をり取つて手向け戦後いのち全く再び郷土に帰住した報告をして、しづかに去つた...
正岡容 「下谷練塀小路」
...もちろん、昨春、私の江戸文学の恩師川柳久良伎翁を喪つて、直系本格川柳の廃滅を痛惜、その復興継承をおもひ立つに至つたことも亦決して原因でないとはいへまい...
正岡容 「東京万花鏡」
...昨春の兵火に空しく斃れた...
正岡容 「東京万花鏡」
...昨春田辺へ来られた節親(まのあた)り挨拶あり...
南方熊楠 「十二支考」
...一昨春合祀反対の暴動すら起これり...
南方熊楠 「神社合祀に関する意見」
...昨春以来癪に支(さ)えつつ筆執る暇を得なかった円本ブッタタ記...
宮武外骨 「一円本流行の害毒と其裏面談」
...昨春三月頃の東都の新聞という新聞にデカデカと書き立てられました特号標題(みだし)の「謎の女」に相違ない事です...
夢野久作 「少女地獄」
...昨春の地震の警告をきかなかった愚かさは我々の前にあまりにも悲惨に示された...
和辻哲郎 「地異印象記」
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