...(七) 権威は勝利者の手にあり一昨年の夏なりきと覚ゆ...
石川啄木 「閑天地」
...昨年の夏、東恩納(ひがしおんな)〔寛惇(かんじゅん)〕君が帰省したので、二人で琉球語の金石文を読みに浦添(うらそえ)の古城址を訪ずれたが、思いがけずも灰色の瓦の破片が其処此処(そこここ)にころがっているのを見た...
伊波普猷 「土塊石片録」
...昨年の夏には、玄関の傍に南天燭(なんてんしょく)を植えてやった...
太宰治 「彼は昔の彼ならず」
...昨年の夏は心にもない失礼を致しまして申訳御座いません...
辰野九紫 「青バスの女」
...ちょっと着がえをいたしてまいりますよ」一の二武男は昨年の夏初め...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...歩くと、決心すれば、一昨年の夏、私は、上越国境の三国峠を越えて、越後湯沢へ下駄履きのまま、出る事のできる男である)...
直木三十五 「大阪を歩く」
......
中谷宇吉郎 「赤倉」
...昨年の夏、スケネクタディにシェファー博士を訪れた時は、この人工降雨術がまだ不評判な時であった...
中谷宇吉郎 「雨を降らす話」
...昨年の夏はシートン夫人とお嬢さんたち三人だけで...
中谷宇吉郎 「アラスカ通信」
...ところが、一昨年の夏、私がアメリカに行っていた間に、花島博士が、偶然のことで、この口絵のような写真をとる方法を発見した...
中谷宇吉郎 「自然の恵み」
...昨年の夏根室で行なった霧の綜合研究の中に...
中谷宇吉郎 「農業物理学夜話」
...その理由は昨年の夏から秋にかけて台風がこなかったために...
中谷宇吉郎 「亡び行く国土」
...ところが昨年の夏も終り近く...
浜尾四郎 「悪魔の弟子」
...こうやってとうとう昨年の夏まできてしまったのだ...
浜尾四郎 「黄昏の告白」
...それが一昨年の夏だったか...
古川緑波 「富士屋ホテル」
...此種の横暴には我輩大左袒大賛成である今に新円本出版の続出するのは何故か円本の全盛期は昨年の夏秋頃で...
宮武外骨 「一円本流行の害毒と其裏面談」
...一昨年の夏行ったきりでしたから...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...そうでなければ次ぎの進歩が分りかねるからであるが、昨年の夏、総持寺の管長の秋野孝道氏の禅の講話というのをふと見ていると、向上ということには進歩と退歩の二つがあって、進歩することだけでは向上にはならず、退歩を半面でしていなければ真の向上とはいいがたいという所に接し、私は自分の考えのあながち独断でなかったことに喜びを感じたことがあった...
横光利一 「作家の生活」
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