...僕は確か一昨年の夏...
芥川龍之介 「文芸的な、余りに文芸的な」
...(七) 権威は勝利者の手にあり一昨年の夏なりきと覚ゆ...
石川啄木 「閑天地」
...昨年の夏、東恩納(ひがしおんな)〔寛惇(かんじゅん)〕君が帰省したので、二人で琉球語の金石文を読みに浦添(うらそえ)の古城址を訪ずれたが、思いがけずも灰色の瓦の破片が其処此処(そこここ)にころがっているのを見た...
伊波普猷 「土塊石片録」
...」昨年の夏には、北さんは、私ひとりを連れて行って下さったのである...
太宰治 「故郷」
...昨年の夏、私は文芸週報「ヌーヴェル・リテレール」の新刊紹介の欄でミオドラック・イヴロバッツ著『ジョゼ・マリヤ・ド・エレディヤ、その生涯及び著作』、『戦勝標の淵源』という広告を、ふと見出して、苦心の結果が世に出た事を初めて知った...
辰野隆 「二人のセルヴィヤ人」
...昨年の夏であったか...
寺田寅彦 「ルクレチウスと科学」
...昨年の夏のことです...
豊島与志雄 「二等車に乗る男」
...即ち昨年の夏の初めに発表した...
中谷宇吉郎 「硝子を破る者」
...米英軍が昨年の夏ノルマンディーに上陸してから...
中谷宇吉郎 「霧を消す話」
...ところが、一昨年の夏、私がアメリカに行っていた間に、花島博士が、偶然のことで、この口絵のような写真をとる方法を発見した...
中谷宇吉郎 「自然の恵み」
...昨年の夏、雪氷永久凍土研究所の遠征隊は、ボーリングによって、氷冠の中の深いところから、氷の標本を採ることに成功した...
中谷宇吉郎 「白い月の世界」
...昨年の夏、ボストンで、二十年ぶりに、このエリセーフ氏に会った...
中谷宇吉郎 「日本のこころ」
...愛らしい生々した子であったが、昨年の夏、君が小田原の寓居の中に意外にもこの子を失われたので、余は前年旅順において戦死せる余の弟のことなど思い浮べて、力を尽して君を慰めた...
西田幾多郎 「我が子の死」
...一昨年の夏至の日...
野村胡堂 「古城の真昼」
...昨年の夏、妻は遂に女児を生みました...
浜尾四郎 「途上の犯人」
...その父が昨年の夏...
夢野久作 「戦場」
...昨年の夏頃からお嬢さん方のお稽古がパッタリ絶えた...
夢野久作 「東京人の堕落時代」
...そうでなければ次ぎの進歩が分りかねるからであるが、昨年の夏、総持寺の管長の秋野孝道氏の禅の講話というのをふと見ていると、向上ということには進歩と退歩の二つがあって、進歩することだけでは向上にはならず、退歩を半面でしていなければ真の向上とはいいがたいという所に接し、私は自分の考えのあながち独断でなかったことに喜びを感じたことがあった...
横光利一 「作家の生活」
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