...春暖相催し申候や否や...
泉鏡花 「薄紅梅」
...其重価(ちようくわ)を得(え)んと欲(ほつ)して春暖(しゆんだん)を得(え)て雪の降止(ふりやみ)たるころ...
京山人百樹刪定 「北越雪譜」
...命(いのち)たすかりたるのち春暖(しゆんだん)にいたれば腫(はれ)病(やまひ)となり良医(りやうい)も治(ぢ)しがたし...
京山人百樹刪定 「北越雪譜」
...それと同じ意味でその一輪一輪の梅は春暖のシンボルとして人の目に映ずるのであります...
高浜虚子 「俳句とはどんなものか」
...酷寒と言えば早く春暖の候になる事を冀うのが人情であります...
高浜虚子 「俳句への道」
...春暖にして古綿衣も重たき心地するほどなり...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...春暖漸く催うして鳥の声いとうらゝかに聞えしある日病の窓を開きて端近くにじり出で読書に労(つか)れたる目を遊ばすに...
正岡子規 「小園の記」
...春暖漸(ようや)く催し草木僅(わず)かに萌芽(ほうが)を放ち菜黄(さいこう)麦緑(ばくりょく)の間に三々五々士女の嬉遊(きゆう)するが如き光景をも聯想せしむるなり...
正岡子規 「俳諧大要」
...ただ厳寒の候も過ぎ春暖くなるにつれて百姓どもの野らに出て男も女も鍬(くわ)ふりあぐる様ののどかさを春のものと見たるに過ぎず...
正岡子規 「墨汁一滴」
...春暖に至り種を取ろうと開いて見れば...
南方熊楠 「十二支考」
...二〇)二五八九年三月二十一日(在浦安町)昨日から頓(とみ)に春暖が増した...
山本周五郎 「青べか日記」
...春暖、風やや寒く、蘆芽をいだし初む...
山本周五郎 「青べか日記」
...九まさに春暖である...
山本周五郎 「雪の上の霜」
...こう春暖を催してくると」「おおこれは」「其許(そこもと)にちとご相談があるが...
吉川英治 「三国志」
...春暖かになるとまた...
吉川英治 「源頼朝」
便利!手書き漢字入力検索