...どうしても昔のお蓮さんとは見えない...
芥川龍之介 「奇怪な再会」
...目の前にその昔の妻のおもかげを見ていた...
岩野泡鳴 「耽溺」
...地理上の関係○昔の人は山に住む人を仙人といい...
相馬愛蔵 「私の小売商道」
...――昔の矢場と今の弓場とはもちろん違うけど...
高見順 「如何なる星の下に」
...昔の人の薫(た)きしめた香の匂が...
谷崎潤一郎 「少将滋幹の母」
...いったい昔の唄の文句と云うものは...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...またその昔の館(やかた)の址(あと)を聞いた...
田山花袋 「ある僧の奇蹟」
...昔のような質的発見はもはやあり得まいという人があるとすれば...
寺田寅彦 「量的と質的と統計的と」
...昔の道化が、今度は、ほかの者を道化に仕立てようという、ずうずうしい要求を現わし始めたのである...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...わたくしには鉄漿溝(おはぐろどぶ)の埋められなかった昔の吉原を思出させる...
永井荷風 「寺じまの記」
...加野は昔の事を思ひ出してむつつりした...
林芙美子 「浮雲」
...昔の天井裏の生活にあこがれた...
堀辰雄 「鼠」
...これは祖母と母の昔の雛ばかりなのだが...
牧野信一 「冬の風鈴」
...昔の今松とは比べものにもなんにもならないうまさで...
正岡容 「寄席」
...昔の大店(おほだな)を今風に改造したやうな...
水上滝太郎 「大阪の宿」
...明るくはない光の中に昔の恋人の姿があった...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...昔のものには風をふせぐために...
柳宗悦 「蓑のこと」
...あれが昔の街道跡という類の話が多く...
柳田国男 「雪国の春」
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