...唯昔の苦行者のやうに無何有(むかう)の砂漠を家としてゐる...
芥川龍之介 「侏儒の言葉」
...昔の「日本主義」は破邪顯正の爲にやゝ偏狹に見られた嫌があつたので...
高橋龍雄 「芳賀先生と日本主義」
...きつと昔の或る時期に...
太宰治 「津軽」
...氏は読みにくい昔の日本文字を自由に読みこなして――東海道五十三次掛川之宿(かけがわのしゅく)...
谷譲次 「踊る地平線」
...遠い昔の移(うつ)り香(が)を再び想い起しながら...
谷崎潤一郎 「少将滋幹の母」
...この死滅した昔の栄華と歓楽の殿堂の跡にこんなかよわいものが生き残っていた...
寺田寅彦 「旅日記から(明治四十二年)」
...大體昔の體裁で保存されて居りますが...
内藤湖南 「弘法大師の文藝」
...しかし昔の希臘人(ギリシャじん)は宴会の席で首縊(くびくく)りの真似をして余興を添えたと云う話しがある...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...古き昔の子守歌と...
萩原朔太郎 「郷愁の詩人 与謝蕪村」
...昔のお金は小判で重いのに...
長谷川時雨 「木魚の顔」
...昔の夢を追つて、君の、いま持つてる金で、二人で当分、面白をかしく暮したところで、どうにもならない...
林芙美子 「浮雲」
...弟が昔の古雑誌にのっていたごちそうの写真をみて...
林芙美子 「お父さん」
...昔の化学者は、火といふものゝ本質を設定し、これをフロジストンと命名した...
平林初之輔 「文学の本質について(一)」
...昔の家禄をある程度取りもどすことが出来ていたかも知れない...
本庄陸男 「石狩川」
...「昔の事は昔の事...
眞山青果 「茗荷畠」
...主神オージン)汝は遠き昔の人々につきてわが憶えをる昔語り語り聞かせよと...
宮原晃一郎 「スカンヂナヴィア文學概觀」
...昔の秀衡椀に伍(ご)す品を作ることは決して難事ではない...
柳宗悦 「陸中雑記」
...昔の倭寇の意気は彼等に由(よ)つて継承されて居ると云つて好からう...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
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