...日本のなら「昔々」とか「今は昔」とか書いてある...
芥川龍之介 「澄江堂雑記」
...昔々、バグダツドのマホメツト教のお寺の前に、一人の乞食が寝て居りました...
芥川龍之介 「三つの指環」
...昔々もその昔、妹が赤十字病院にはいっていた時分、外来の見舞客には特別の食堂があり、切符で注文すれば同じ値段で洋食か和食があり、こっちのほうがおいしかったのを思い出す...
滝沢敬一 「ブイヨン・ドンゾール」
...昔々大昔の日本には...
野村胡堂 「古城の真昼」
...――昔々の大昔は武家だつたかも知れないが...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...――昔々の大昔は武家だったかも知れないが...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...名取屋三七郎の家の兩隣には、三軒長屋が二た棟あるが、不思議なことに皆んな男世帶だ、――三七郎の妾のお鮒が綺麗なんで、女といふ女は住みつかないんだ相ですよ」「お前の話は相變らず馬鹿々々しいな」「まア、聽いて下さいよ、話はこれから面白くなるんで」「フーム」「三軒長屋が二つ、その一つは北の方にあつて、按摩(あんま)の年寄夫婦が一と組と、浪人波多野虎記(とらき)と、小博奕(こばくち)を渡世にしてゐる、勇吉といふ若いのが住んでゐる、按摩の女房の婆さんなんか女のうちに入らない」「――」「南隣の三軒長屋には、馬鹿の猪之助と、漁師の申松(さるまつ)が住んで居て、中の一軒は空家だ、その空家にはお化けが出るといふ噂があつて、この一年借り手が無い、――昔々、一人者の婆さんが、臍繰(へそくり)を五貫六百ばかり殘して死んだ相だから、多分それに思ひが殘つてゐるだらうといふことで――」「恐ろしくケチなお化けだな」「ところで、この三軒長屋二た棟に住んでゐる、六人の住人のうち、按摩夫婦の二人の外は、皆んな名取屋三七郎の妾のお鮒に夢中なんだから面白いぢやありませんか」「そんな話は、ちつとも面白くは無いよ、馬鹿々々しい」「錢形の親分に面白がらせようなんて、そんな娑婆(しやば)つ氣はありませんよ、當人同士は妾のお鮒に聲でも掛けて貰はう、せめて一と眼振り向いて見られようと、そりや夢中なんで」「そんなのが四人も五人も大川端に集まるんだから江戸は廣いなア」「先づ第一番に白痴(ばか)の猪之助――この男は取つて二十九の良い若い者だが、釘が一本足りないばかりに、まともな仕事が出來ねえ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...「昔々の大昔、筑前の國の皇居の庭掃き爺さんが、尊い女御(にようご)を見て一世一代の戀をした...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...「この野郎は、内儀さんが離屋の床下に入れて、生命がけで守つて居た一萬兩の隱し場所を嗅ぎつけ、母屋の二階に戸板に仕掛けた弓を持ち込み、槍の中心(なかご)に、紐をつけて射込んだのですよ、昔々、石弓(弩(いしゆみ))といふものを戰の時使つたといふが、板に弓を留めて射ると、かなりの重いものでも、狙ひ違はず遠くへ射込める、庇にそれを仕掛けて石の代りに槍の中心をつがへ、着換をして、これから寢ようとして居る内儀さんの首を射た」「――」聽く人は固唾を呑むばかり、平次の繪解きは誰も想像もしなかつた程の變つたものです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...「箱根へ湯治(たうぢ)に行つた知合ひからお土産(みやげ)に貰つたのだよ、昔々、朝鮮の國から、日本の朝廷に御使者が來た時、持つて來た寶の箱に一八と書いてあつた、叩けば開かれる――といふ謎(なぞ)だつたと物の本に書いてあるさうだよ」平次は妙な話を始めました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
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萩原朔太郎 「郷愁の詩人 与謝蕪村」
...昔々の家に鳴るオルゴールの音色のように...
萩原朔太郎 「郷愁の詩人 与謝蕪村」
...昔々野猪と蛙が平地から山の絶頂まで競争しようと懸かった...
南方熊楠 「十二支考」
...あの神通力と不思議な武器とをもって仕合や戦闘にのぞんだ昔々の遊歴の騎士みたいに見受けられる...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...一一五御伽話(おとぎばなし)のことを昔々(むかしむかし)という...
柳田国男 「遠野物語」
...昔々、いつのころとも知れない遠い昔、そうしてまた何処にあるかもはっきりしない、ある一つの国に、親が六十歳になると、山へ棄ててこなければならぬという、とんでもない習わしがあった...
柳田国男 「母の手毬歌」
...昔々時鳥と郭公は兄弟でまたは姉妹で...
柳田國男 「野草雑記・野鳥雑記」
...昔々ひどい凶作の年に...
柳田國男 「野草雑記・野鳥雑記」
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