...そこで予(あらかじ)め前へ「昔々」と食付(くつつ)けたのである...
芥川龍之介 「澄江堂雑記」
...これは本当に昔々の思い出話なのでございます...
上村松園 「京の夏景色」
...冬木立昔々の音すなり...
中里介山 「大菩薩峠」
...それにしてからが昔々から掛引のうまい大作曲家といふのは見当らないし...
中原中也 「音楽と世態」
...廊下に付けた足跡は、両国の獣肉屋(ももんじや)で手に入れた、貉(むじな)の足のからくり――そんな事までして私は、お嬢様の並々でない物好きな心持を掴んだので御座います」「…………」「お嬢様はもう、昔々旦那様から、身分違いと言って捨てられた者の子の種を宿しました...
野村胡堂 「新奇談クラブ」
...『一と眼千両』のお夢という太夫が入ったんです」「それがお前を買いきろうというのか」「昔々江戸にあったとか言いますね...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...昔々の大昔の色男だ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...「この野郎は、内儀(おかみ)さんが離屋の床下に入れて、生命(いのち)がけで守っていた一万両の隠し場所を嗅(か)ぎつけ、母家の二階に戸板に仕掛けた弓を持ち込み、槍の中心(なかご)に、紐をつけて射込んだのですよ、昔々、石弓(弩(いしゆみ))というものを戦(いくさ)のとき使ったというが、板に弓を留めて射ると、かなりの重いものでも、狙い違(たが)わず遠くへ射込める、庇(ひさし)にそれを仕掛けて石の代りに槍の中心をつがえ、着換をして、これから寝ようとしている内儀さんの首を射た」「――」聴く人は固唾(かたず)を呑むばかり、平次の絵解きは誰も想像もしなかった程(ほど)の変ったものです...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...昔々大昔藝者だつた頃...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...昔々御所刑(ごしょけい)になった...
野村胡堂 「天保の飛行術」
...昔々しきりに思う...
萩原朔太郎 「郷愁の詩人 与謝蕪村」
...ナムアミダブツのお釈迦様!帰郷古里の山や海を眺めて泣く私です久々で訪れた古里の家昔々子供の飯事に私のオムコサンになつた子供は小さな村いつぱいにツチの音をたてゝ大きな風呂桶にタガを入れてゐるもう大木のやうな若者だ...
林芙美子 「蒼馬を見たり」
...昔々(むかしむかし)露西亜(ロシア)のペートル帝が和蘭(オランダ)に行て航海術を学んだと云(い)うが...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...増補昔々物語の本文...
三田村鳶魚 「女順禮」
...あなたの昔々のテニス用シャツがこんなに便利に私の役に立つとはお思いにもなれなかったでしょうね...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...「昔々あの大洪水よりも前に...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...一一六昔々あるところにトトとガガとあり...
柳田国男 「遠野物語」
...昔々ある処に長興寺というお寺があった...
柳田國男 「野草雑記・野鳥雑記」
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