...あれでも昔よりは幾分か人みしりをしなくなったのである...
谷崎潤一郎 「細雪」
...しかしこの家の二階は何となくなつかしい、昔の香がする...
寺田寅彦 「イタリア人」
...古い昔の短い詩形はかなり区々なものであったらしい...
寺田寅彦 「俳句の型式とその進化」
...もちろんこれは昔そういう場所でそういう箸(はし)で鮓(すし)を食った事があるには相違ないが...
寺田寅彦 「連句雑俎」
...その昔イデーの山に群牛を汝ひとりに牧ひし時...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...田口と僕の家が昔に比べると比較的疎(うと)くなった今日(こんにち)でも...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...昔むかし、あなたがたの宗教の先生の一人が似たようなことを言ってたわ...
H・ビーム・パイパー H. Beam Piper The Creative CAT 訳 「最愛の君」
...全体からいうと、昔と今とでは、今の方が僕は不思議な時代だと思う...
ナサニエル・ホーソン Nathaniel Hawthorne 三宅幾三郎訳 「ワンダ・ブック――少年・少女のために――」
...日本では昔その苗木(なえぎ)がわが邦(くに)へ渡って今日信州(しんしゅう)〔長野県〕あるいは東北地方にわずかに見るばかりである...
牧野富太郎 「植物知識」
...われ昔母と貧しく四畳半剣花坊母追憶叱つても泣いても呉れぬ石になり同にしても亦然りである...
正岡容 「大正東京錦絵」
...昔は自分達の行く劇場にさえ入れなかったような労働者の前へ...
宮本百合子 「「インガ」」
...私には新しい恋人に傾倒していらっしゃる御様子が昔のいろいろな場合と思い合わせて想像することもできます...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...昔の小説に親の作った堂を毀(こぼ)った話もあるが...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...其時昔の我店が「愚姪方」になつたのだらうと云ふ推測は出て來るのである...
森鴎外 「壽阿彌の手紙」
...とりわけ石彫の美は四百年後の今日も昔のままの姿で...
柳宗悦 「沖縄の思い出」
...彼らの活動はやはり昔の狭い円をでないのだ...
山本宣治 「猿の演説」
...昔の意気はどこへ行ったか...
夢野久作 「街頭から見た新東京の裏面」
...昔ながらの息子であった...
吉川英治 「源頼朝」
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