...人類の到達し得たる最高の立場に易々と身を置いて人生を瞰下してゐる人達の顏に...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...如何に天才でも非凡人でもこう易々(やすやす)とトントン拍子に成上ると勢い矜驕(きょうきょう)となり有頂天(うちょうてん)となるは人間の免かるべからざる弱点である...
内田魯庵 「美妙斎美妙」
...あんなに易々(やすやす)とベッドの中へ隠したり...
江戸川乱歩 「悪魔の紋章」
...何十人という警官の包囲を易々と脱出した怪物は...
江戸川乱歩 「黄金仮面」
...あんなに易々(やすやす)と傷口の周囲までまくれて了(しま)うものかね? 僕はそう思えないんだ...
大阪圭吉 「カンカン虫殺人事件」
...わが身が円タク拾って荻窪の自宅へ易々とかえれるような状態に在るうちは...
太宰治 「狂言の神」
...子守娘にさえ易々(やすやす)とできる毒薬自殺をしてしまった...
太宰治 「もの思う葦」
...掴み合つたくらゐだからその揚句に殺さないとは限らないぢやないか――尤も小娘が易々(やす/\)と大男を殺せるわけはねえから...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...ちょっと真似の出来ない独自の工風や発明を易々とやってのける...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...聞くだに戦慄すべき犯罪計画を極めて易々と喋散して居る...
平出修 「逆徒」
...先ほど御身がお咎めもなく易々と帰ることができたのは...
藤野古白 藤井英男訳 「人柱築島由来」
...易々と金を奪う有様は...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「煉獄」
...今は易々(やすやす)と動き出して直ぐに王の傍へ来た...
夢野久作 「白髪小僧」
...易々(やすやす)とそうはさせません...
吉川英治 「江戸三国志」
...六いずれ易々とは承知しまい...
吉川英治 「三国志」
...秀吉が易々として自分の提議を容(い)れるものとは思っていなかったが...
吉川英治 「新書太閤記」
...易々(いい)たるものにござりまする」勅使は...
吉川英治 「新・水滸伝」
...それはじつに易々(いい)たるものだ...
吉川英治 「随筆 新平家」
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